結果調節(読み)けっかちょうせつ

日本大百科全書(ニッポニカ)「結果調節」の解説

結果調節
けっかちょうせつ

果樹などで行われる果実生産の調節であり、自発的調節と人為的調節とがある。前者は、植物が自発的に離層を形成して落果する生理的落果の現象をいう。後者は、摘果鋏(てきかばさみ)などを用いて行う摘蕾(てきらい)、摘花、摘果や剪定(せんてい)などの間引き的結果調節と、植物ホルモンや薬品などを用いた薬剤摘蕾・摘花・摘果のほか、逆に薬剤などによる落果防止をも包含する。

 生理的落果には、開花後1~2か月の早期におこる早期落果(6月ごろおこるのでジューンドロップJune dropともいう)と、後期におこる後期落果および成熟直前の成熟前落果とがある。生理的落果は、樹体の栄養状態に見合う結果または結実の自己調節作用とみられる。果樹や林木では毎年平均的に結果するものと、なり年(表年)とならない年(裏年)とを交互にする隔年結果性のあるものとがあり、これらの性質は遺伝的なものではあるが、栽培方法によって人為的に調節ができる。

 人為的結果調節では、1果を生産するに必要な葉数、葉‐果率を目安とする。これによると、カキ、日本ナシ、ブドウなどでは1果あるいは1房当り15~20枚を、モモ、温州(うんしゅう)ミカンでは15枚前後、リンゴ、西洋ナシでは30枚前後の葉を必要とする。各果樹でそれぞれ目安にあわせ、開花後なるべく早く摘果するが、カキなどのように早期落果の多いものはそれを見定めてから行う。

 省力栽培化のため石灰硫黄(いおう)合剤(モモ、リンゴ)、DNAアセテート剤(リンゴ摘花)、カーバメイト系殺虫剤(リンゴ摘果)やナフタレン酢酸、インドール酢酸などの植物ホルモンが摘果剤として実用化されつつある。また、カキの早期落果防止にジベレリン、ブドウの「巨峰」の着粒増加にビーナイン、リンゴの後期落果防止に2・4・5-TPが効果がある。もちろん完全な着果には、種子がなくとも果実が発育するいわゆる単為結果性がない限り、受粉受精が必要で、この場合、交配親和性花粉を用いた人工授粉は効果がある。

[飯塚宗夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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