果実が発育の途中で落ちること。多くの果樹では,開花後,受粉,受精が行われ,胚が発育を開始すると,花の一部分(子房壁や花床など)が肥大を始めて果実となる。しかし,開いた花の中で果実として収穫されるのはほんの一部分で,大部分は病虫害や強風などによるほか,種々の生理的原因によって落果する。生理的な落果は開花後1~2ヵ月までと収穫直前に多い。開花直後の落果はめしべの機能が不完全だったり,受粉,受精が行われなかったために起こる。開花後1~2ヵ月ころの落果は一般にジューンドロップJune dropと呼ばれ,果実間あるいは果実と枝葉との養分競合の結果,胚の発育停止や養分不足を起こした果実が落果する。雨が多く日照不足の年には養分不足による落果が多く,著しい減収となる場合がある。また,収穫直前になると,リンゴ,セイヨウナシ,カキなどでは果梗部の離層形成が進み,再び落果が多くなる場合がある。また,晩生かんきつなど樹上で越冬する果実では,1~2月の低温によって離層ができやすくなり,落果することがある。収穫前落果はオーキシンやある種の生長抑制剤を散布することによって防止でき,一部では実用化されている。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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