給事中(読み)キュウジチュウ

デジタル大辞泉 「給事中」の意味・読み・例文・類語

きゅうじ‐ちゅう〔キフジ‐〕【給事中】

中国の官職名の一。時代は宮中給仕をする下級役職であったが、代以降は門下省に属し、天子詔勅を審議する要職となった。代は天子をいさめる官。
少納言しょうなごん唐名

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精選版 日本国語大辞典 「給事中」の意味・読み・例文・類語

きゅうじ‐ちゅうキフジ‥【給事中】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国の古い官名。秦漢時代には、宮中の事務に任じたが、唐以後は王命を下官に伝える要職となり、明清には監察の職となった。〔漢書‐百官公卿表上〕
  3. 少納言(しょうなごん)の唐名。〔職原鈔(1340)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「給事中」の意味・わかりやすい解説

給事中
きゅうじちゅう
Ji-shi-zhong; bhi-shih-chung

中国の官名。秦,漢では宮中に出入りする諸官に加えられる肩書にすぎなかったが,六朝時代には正官となり門下省などに属した。隋,唐も門下省に属し,隋では給事郎と称したが唐で給事中に復し,貴族世論を受けて上奏文や天子の詔勅を審査駁正する権能をもつ清官として重きをなした。貴族制衰退につれ一時空名化したが,北宋の神宗以降復活し,明では六科に分れて六部の事務を監察し,清代にも都察院に所属してその機能を引継いだ。

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世界大百科事典(旧版)内の給事中の言及

【中国】より

…あるのは県だけで,それをいくつかずつくくった単位が府である。別に,中央政府に対しては給事中,地方に対しては御史,という監察機構が置かれている。官(後述の〈吏〉に対していう)は,府・州・県の最末端の官にいたるまで,すべて中央より定期的に派遣される(任期は3年)。…

【都察院】より

…清は明制によったが,乾隆年間(1736‐95)に僉都御史を廃し,左都御史と左副都御史を都察院の専官とし,右都御史を総督の,右副都御史を巡撫の兼官とした。なお,明代において独立の機関であった六科(中央官庁の監察機関)は1723年(雍正1)に都察院の所属に入り,その成員である給事中は左都御史の監督下に置かれた。【谷 光隆】。…

※「給事中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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