絵解(読み)えとき

精選版 日本国語大辞典 「絵解」の意味・読み・例文・類語

え‐ときヱ‥【絵解】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 絵の意味を説明すること。また、そのことば。
    1. [初出の実例]「今日於禁裏絵解云々」(出典:実隆公記‐文明一二年(1480)八月三日)
    2. 「熊野の絵と名づけて、地ごく極楽すべて六道のあり様を絵にかきて絵ときをいたし」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)二)
  3. 仏教的な物語などの解説のために、掛幅絵・絵巻などを用いること。また、それを行なう人。のちに職業化し、芸能化する。琵琶に合わせて語る場合もあり、室町末期ごろからは、勧進比丘尼(かんじんびくに)が行なうようになった。→絵解比丘尼
    1. 絵解<b>②</b>〈三十二番職人歌合絵巻〉
    2. [初出の実例]「絵解参。未聞之間召令解」(出典:看聞御記‐永享五年(1433)九月三日)
  4. 文字の代わりに絵や図を主体にして事柄をわからせようとするもの。また、その方法。
  5. わかりにくい物事をやさしく解き明かすこと。また、推理の過程をわかりやすく説明すること。
    1. [初出の実例]「さらば絵解きをお目にかけう」(出典:歌舞伎・八重霞曾我組糸(1823)大詰)

絵解の補助注記

( について ) 経説・仏伝・局僧伝・寺社縁起・英雄最期(もしくは、これに物語・伝説を加える)のような種類があり、聖徳太子伝道成寺縁起などの絵解が著名

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android