絵踏(読み)えぶみ

精選版 日本国語大辞典 「絵踏」の意味・読み・例文・類語

え‐ぶみヱ‥【絵踏】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代キリスト教徒でないことを証明させるため、またはキリシタンからの転宗を確かめるために、マリアキリスト絵像を踏ませたこと。踏み絵。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「支配所の(ちんば)の数も知る絵踏」(出典:俳諧・広原海(1703)一九)
    2. 「絵踏 五山遺稿、肥前長崎・五島・大村・平戸、この処にて、男女に限らず、絵ぶみす」(出典:俳諧・俳諧歳時記栞草(1851)春)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「絵踏」の解説

絵踏
えぶみ

江戸時代,キリシタン検索のために実施された方法。キリシタンの信仰対象である聖画像などの踏絵を足で踏ませること。1620年代後半頃,長崎ではじめて実施。当初はキリシタンが棄教したことを証明する手段だったが,17世紀中頃に宗門改が制度化されてからは一般の者へも実施され,キリシタンでないことを証明する手段となった。ただしキリシタンが多数生じた九州に限られるが,宣教師潜入,漂流民の帰国,崩れなどの際にも実施された。

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世界大百科事典(旧版)内の絵踏の言及

【踏絵】より

…江戸時代のキリシタン検索制度である絵踏行事に用いた聖画像をいい,踏む行為を絵踏といったが,しだいに混用して絵踏も踏絵と称した。1628年(寛永5)長崎に始まって1858年(安政5)廃止されるまで九州各地で制度的に実施された。…

※「絵踏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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