精選版 日本国語大辞典 「網場」の意味・読み・例文・類語 あみ‐ば【網場】 〘 名詞 〙① 魚や鳥を捕えるために網を仕掛ける所。[初出の実例]「網場参箇所内壱所嶋尻者、一円可レ為二預所分一」(出典:東寺百合文書‐に・乾元二年(1303)五月一八日・伊予弓削島荘領家地頭和与状案)② =あみほしば(網干場)〔和英語林集成(初版)(1867)〕 あ‐ば【網場】 〘 名詞 〙 =あみば(網場)① 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「網場」の解説 網場あば 長崎県:長崎市日見村網場[現在地名]長崎市網場町橘(たちばな)湾に臨む一帯で、江戸時代より日見(ひみ)村内の漁師集落として知られる。もと船津(ふなつ)と称し、史料上は阿場浦(天保八年頃の松浦武四郎「旅行手記」)などとも記される。一六一四年(慶長一九年)マカオからの小帆船が日見に投錨するが、これには唐人の命令でマカオから追われた日本人が乗っていた(アビラ・ヒロン「日本王国記」)。「長崎名勝図絵」に網場浦とみえ、漁猟の場とあり、天満社(例祭八月二五日)が祀られる。寛文九年(一六六九)六月、一二番東寧船が島原領の「日見浦」に漂着、警固を付けられて樺(かば)島(現野母崎町)まで曳送り、それより長崎湊に戻している(唐通事会所日録)。元禄五年(一六九二)江戸より帰ったケンペルの一行は矢上(やがみ)で昼食をとったあと網場村を過ぎているが、当地から小浜(おばま)温泉(現小浜町)への道が通じていた(江戸参府旅行日記)。宝永五年(一七〇八)一一月、薩摩国から異形の者一人を乗せた船が網場に入船、陸路で立山(たてやま)役所に送られ、ローマ人(ヨハン・シドッチ)であることがわかった(唐通事会所日録)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報