緑の国勢調査(読み)みどりのこくせいちょうさ

百科事典マイペディア 「緑の国勢調査」の意味・わかりやすい解説

緑の国勢調査【みどりのこくせいちょうさ】

動植物地形地質生態系などを対象に,森林河川湖沼海岸などの状況を調べ,その保全のための基礎情報収集を目的として環境庁がほぼ5年ごとに実施している調査。自然環境保全法第4条,および1993年11月に同法と公害対策基本法を統合・廃止して新たに制定された環境基本法第28条に基づくもので,正式名称は〈自然環境保全基礎調査〉。〈緑の国勢調査〉は,これまでに1973年度,1978年―1979年度,1983年―1987年度,1988年―1989年度,1993年―1994年度,1997年―1998年度の計6回実施されている。一般市民の参加する調査もあり,たとえば〈身近な生きもの調査〉では全国でツバメの巣(1997年),ひっつきむし(1996年),セミぬけがら(1995年)の調査が実施され,参加者の自然に対する関心を高めた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「緑の国勢調査」の意味・わかりやすい解説

緑の国勢調査
みどりのこくせいちょうさ
national surveys on natural environment; green census

グリーン・センサスともいう。自然環境保全法第5条に基づき環境省が実施している自然環境保全基礎調査の通称。 1973年の第1回調査以来,5年を一区切りに行われている。第1回調査では,自然度の把握,すぐれた自然の把握,環境寄与度の把握を3つの柱として実施し,第2回調査では,都道府県別に動植物分布図が作成され,第3回調査では,一般国民 10万人が参加して,主として居住地周辺の環境の指標となる動植物の分布を調べる「身近な生き物調査」などが実施された。 88年からの第4回調査では,全国の巨樹・巨木林,自然景観資源の分布を初めて把握するとともに造礁サンゴの分布についても潜水調査を実施し,いわば海の植生図が作成された。

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