緩める(読み)ユルメル

デジタル大辞泉 「緩める」の意味・読み・例文・類語

ゆる・める【緩める/×弛める】

[動マ下一][文]ゆる・む[マ下二]
ゆるむようにする。ゆるくする。「帯を―・める」「ネクタイを―・める」
油断する。「最後まで気を―・めるな」
厳しさを次第になくする。ゆるやかにする。「取り締まりを―・める」「追及の手を―・める」
固いものをやわらかくする。表情のかたさをほぐす。「口元を―・める」
速度などを減ずる。「スピードを―・める」
なだらかにする。「傾斜を―・める」
[類語]たるむ緩むだれるだらけるたゆむたがが緩む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緩める」の意味・読み・例文・類語

ゆる・める【緩・弛】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ゆる・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 引っ張りぐあいや締め加減を弱くする。たるませる。ゆるくする。ゆるべる。
    1. [初出の実例]「ハハア、此綱を引けば杖が上る。又ゆるむれば打」(出典:虎寛本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初))
  3. きびしさを緩和する。厳格さや苛酷さの程度を弱める。手心を加える。また、だらしなくする。ゆるべる。
    1. [初出の実例]「貧は今生の知識なり。愛欲、心をゆるめ、三界の樊籠をいたす」(出典:海道記(1223頃)極楽西方に非ず)
  4. 勢いを弱くする。速度などを落とす。
    1. [初出の実例]「先方の思はくに気兼をして歩度を緩(ユル)めるやうな事はなかった」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一五)
  5. 気持の緊張を解いて、表情のかたさや体のこわばりなどをほぐす。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「半田が急に顔の表情をゆるめて」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉六)
  6. 水などでやわらかくする。また、薄める。
    1. [初出の実例]「糊を水にて稀(ユ)るめ、板に塗り、指にて拭ひ去り、其上に紙を貼りて」(出典:文芸類纂(1878)〈榊原芳野編〉八)

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