緩む(読み)ユルム

デジタル大辞泉 「緩む」の意味・読み・例文・類語

ゆる・む【緩む/×弛む】

[動マ五(四)]
ぴんと張ったものがたるむ。締めぐあいが弱くなる。ゆるくなる。「ねじが―・む」「ひもが―・む」
緊張がほぐれる。油断する。「気が―・む」
厳しかった状態・程度がゆるやかになる。「寒さが―・む」「取り締まりが―・む」
固いものがやわらかくなる。表情のかたさがとれる。「氷が―・む」「頰が―・む」
速度などが減ずる。「スピードが―・む」
取引で、相場少し下がる。「選挙を控え、市況は―・んでいる」
[動マ下二]ゆるめる」の文語形
[類語]たるむ緩めるだれるだらけるたゆむたがが緩む

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緩む」の意味・読み・例文・類語

ゆる・む【緩・弛】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. きつく張ったり締めたり結んだり、あるいはさし込んだりしていたものが、たるんだりゆるくなったりする。また、入れ物が大きくなったりして中身と密着しなくなる。ゆるぶ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「足元のゆるんだ処をやりちげへに見つけたから」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
    2. 氷などが解ける。固まったものが水分を含んでやわらかくなる。ゆるぶ。「春になり、根雪がゆるむ」
    3. 暑さや寒さのきびしさがやわらぐ。ゆるぶ。
      1. [初出の実例]「二月の中旬過の、珍らしく寒さの緩んだ日で」(出典:病院の窓(1908)〈石川啄木〉)
    4. 心の張りや緊張が失われる。油断する。怠る。不精する。ゆるぶ。
      1. [初出の実例]「肝腎の用を忘れてしまった、おれもよっぽど弛(ユル)んだわえ」(出典歌舞伎早苗鳥伊達聞書実録先代萩)(1876)三幕)
    5. 表情や体、筋肉などのかたさがほぐれる。笑顔になる。また、だらしない顔つきになる。
      1. [初出の実例]「さうして顔の筋肉が残らず緩(ユル)んで見える」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石〉暖かい夢)
    6. 取引で、相場が少し下がる。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙ゆるめる(緩)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の緩むの言及

【取引所】より

… 締まる相場が高くなること(少しだけ高くなることは〈小締まる〉という)。反対は〈緩む〉。 新甫(しんぽ)商品市場の用語で,月替りの発会の日に始まる限月(げんげつ)(先物取引の受渡し期限の月),またはその相場のことをいう。…

※「緩む」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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