六訂版 家庭医学大全科 「羊水塞栓」の解説
羊水塞栓
(女性の病気と妊娠・出産)
羊水塞栓はお産の最中または出産の直後に、突然の呼吸困難、胸部の
2~3万分娩に1例と発生はまれですが、予測が事実上不可能で、ひとたび発症すると急速に進行するため、診断がつかないまま死亡する例も多く、亡くなったあとの解剖所見で初めて診断がつくこともあります。
羊水とそれに含まれている胎児の成分(胎脂、胎便、胎児の皮膚細胞など)が、子宮から母体の血管に流れ込んで、主に肺の血管に詰まるとともに、全身性のアレルギー反応(アナフィラキシー反応)を起こすと考えられています。呼吸循環障害とともに大量の出血を伴うことも多く、現代の最新医療技術を用いても依然として救命が難しい疾患です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報