群飛(読み)ぐんひ

精選版 日本国語大辞典 「群飛」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐ひ【群飛】

〘名〙 (「ぐんぴ」とも) 昆虫や鳥などが多数群れをなして飛ぶこと。イナゴバッタなどの大発生後や、シロアリ、蚊などの生殖期に、またミツバチ分封の際などにみられる。〔日葡辞書(1603‐04)〕〔潘岳‐射雉賦〕

むれ‐と・ぶ【群飛】

〘自バ五(四)〙 鳥などがむらがって飛ぶ。
名語記(1275)三「むれとぶ心なるべし」

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デジタル大辞泉 「群飛」の意味・読み・例文・類語

ぐん‐ぴ【群飛】

[名](スル)多数で群れをなして飛ぶこと。昆虫ではシロアリの生殖期やミツバチの分封期にみられるものや、蚊柱飛蝗ひこうなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「群飛」の意味・わかりやすい解説

群飛
ぐんぴ

一般に昆虫などが多数群れて飛ぶことをいい、swarmingの訳。群飛の多くは生殖に関係している。アリやシロアリでは生殖期に多数の有翅(ゆうし)の雄や雌が群飛を行い、空中または地上で交尾をするが、これらは結婚飛行とよばれる。また、カゲロウトビケラなどの水生昆虫も羽化した成虫が交尾のための群飛を行う。ユスリカなどの蚊柱(かばしら)も交尾のための群飛の例である。ミツバチでは、女王と多数の働きバチが新女王のいる元のコロニーから分かれることによってコロニーが増えていく(分封(ぶんぽう)とよばれる)が、これも群飛の一種である。中国に分布するワタリバッタは大発生の際に大集団で長距離を移動し、農作物に大被害を与える。これは飛蝗(ひこう)とよばれ、移動のための群飛の例である。

[喜多 実]

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普及版 字通 「群飛」の読み・字形・画数・意味

【群飛】ぐんぴ

群がり飛ぶ。

字通「群」の項目を見る

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