精選版 日本国語大辞典 「群」の意味・読み・例文・類語
ぐん【群】
むれ【群】
む・れる【群】
む・る【群】
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翻訳|group
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正の数全体の集合Pを考えてみると,これらは次の4条件を満たしている。(1)a,bがPの元であれば,その積a×bが定まって,a×bもPの元である。(2)結合法則,すなわち(a×b)×c=a×(b×c)が成り立つ。(3)1×a=a×1=a(単位元1が存在する)。(4)a×a⁻1=a⁻1×a=1(逆元a⁻1が存在する)。
一般に,数の乗法に限らず,ある集合Gに一つの演算(数の加法,写像の合成など)が定義されていて,それが上のような4条件を満たしているとき,Gは群であるという。演算の記号は,具体例では,×,+,◦などいろいろありうるので,一般的に*で表すことにすると,定義は次のように述べられる。
集合Gに一つの演算*が定義されていて,すなわち,(1)a,bがGの元ならば,a*bが定まって,Gの元であり,さらに次の3条件(2)~(4)が満たされているとき,Gはこの演算*に関して群をなすという。(2)結合法則,すなわち(a*b)*c=a*(b*c)が成り立つ。(3)適当な元eがあって,Gのどの元aに対しても,e*a=a*e=aとなる。このeをGの単位元という。(4)Gの各元aに対して,a*b=b*a=eとなるような元bが存在する。このbをaの逆元という。
演算を加法と呼ぶときは演算の記号としては+を用いるのがふつうで,この場合単位元を0で表し,零と呼び,またaの逆元を-aで表し,マイナスaと呼ぶ。
演算を乗法と呼ぶときは,演算の記号は略す(a*bをabとかく)か,・を用いるのがふつうであり,単位元を1で表すことが多い。aの逆元はa⁻1で表す。
数の加法や乗法の場合には,条件(5)交換法則,すなわちa*b=b*aが満たされている。このような場合,可換群またはアーベル群と呼ぶ。今後,この項では群の演算の記号は省略して,積はabのようにかく。
数の加法や乗法とは異なる演算で群をなす例として対称群(置換群)があるが,それ以外の簡単な例を一つあげよう。
テーブルの上に裏,表の区別のできる板をおいた場合を考える。板を裏返す操作をaとし,何もしないのをeとしよう。aを2回繰り返したaaを考えると,もとの状態に返るから,aa=e。そして,aとeの二つの元だけで群になる。今は板の裏表だけを考えて置くときの板の向きは考えなかったが,向きも考えに入れて同様の操作を考えると,だいぶ複雑な群ができる。
五次以上の方程式の解法を見いだす努力として,J.L.ラグランジュとバンデルモンドAlexis Théophile Vandermonde(1735-96)が,1770年ころに三次,四次の場合の解法を吟味して,根の整式に根の置換をほどこしたとき,どれだけ異なった値をもつかということなどに着目した。約半世紀後にN.H.アーベルとE.ガロアがその考えを進展させて,アーベルが,まず代数的に解ける多項式(係数から出発して,根が四則算法とべき根をとる演算とで得られるもの)を調べ,一般の五次多項式には代数的には解けないものがあることを示した。ガロアはさらに進んで,多項式の群(今日の言葉でいうガロア群)を考え,また,根をつけた体やその中間体も定義して,ガロア群の構造と中間体との関係を解明した。また,後に述べる正規部分群を定義したのもガロアであり,このガロアの研究が群論の始まりといえる。ガロアの理論は,1870年に出版されたC.ジョルダンの著書に詳しく紹介されている。扱った群は一つの方程式の根の置換群であり,その後,A.L.コーシーはもっと一般な置換群を扱ったが,初めに述べたような抽象的な定義は,ケーリーArthur Cayley(有限群の場合)およびL.クロネッカー(一般の場合)による。このように抽象的な群の概念に到達してみると,群と幾何学との関係が浮かび上がり,F.クラインの有名な《エルランゲン・プログラム》がそれを明確にした。その後,群の概念は,代数学,幾何学だけでなく,数学の多くの分野において,たいへん基本的なものになった。また,結晶学における結晶の分類や,量子力学にも応用されている。群に位相を入れた位相群というものもあり,その応用範囲は広い。応用される分野に応じて群があるといえるくらい,重要な群が多くあり,その多くのものはリー群と呼ばれるものに含まれる。
方程式x6-2=0のガロア群を求めてみよう。1の虚立方根の一つをωとすれば,-ωが1の6乗根であり,上の方程式の6根は±6\(\sqrt{2}\),±ω 6\(\sqrt{2}\),±ω2 6\(\sqrt{2}\)である。ガロア群Gの元φは6根を独立に考えての置換ではなく,数の体系としてふさわしいものと考えることにすれば,6\(\sqrt{2}\)とωの写され先(前者は6根のどれか,後者はωかω2)がきまれば,他の根の写る先もきまるのように)。そこでσ,τを,によって定めると,
σ,σ2,σ3,σ4,σ5,σ6=1
τσ,τσ2,τσ3,τσ4,τσ5,τ
の12個の元は互いに異なるGの元になる。6\(\sqrt{2}\)の行先は六つ,ωの行先は二つゆえ,Gの元は,6×2=12より多くはあり得ないから,上の12個の元がガロア群を作るのである。この群では,σ6=1のほかに,τ2=1,τστ=σ5=σ⁻1(τστはω→ω,6\(\sqrt{2}\)→-ω26\(\sqrt{2}\)と写すから)という関係がある。
可解群という概念(後述)があるが,方程式が代数的に解けるためには,そのガロア群が可解群であることが必要十分条件である。
定規とコンパスだけでは3等分のできない角θの存在することが知られているが,その証明には, のガロア群が利用できる。その場合,作図可能なのは,ガロア群の元が2個以内のときであり,例えば,θ=60°でも,ガロア群の元数は六つである。このように,ガロア群は方程式の解法以外にも応用がある。
例えば,正の数全体が乗法に関して作る群Pの中で,3m5n(m,nは整数)の形の数全体Hをとれば,H⊂Pであって,Hだけでも群になっている。このように,一つの群Gの部分集合Kが,それ自身でも群になっているとき,KはGの部分群であるという。この例Hは,3と5を含む最小の部分群であるという意味で,3と5とで生成された部分群であるといい,〈3,5〉で表すことが多い。一つの元aで生成される群〈a〉={an|n=0,±1,±2,……}を,aで生成された巡回群という。一般に,群Gの部分群Kが与えられたとき,a,b∈Gにより,Ka={ka|k∈K}とKb={kb|k∈K}とに共通元があれば,Ka=Kbである。そこでKaの形の集合全体を考えると,Gを共通元をもたない部分集合の和に分けることになる。Kaを,Kを法とする右剰余類(“右”は,Kの元によりずらした余りに相当するaが右側にあるから)または左K剰余類(“左”はKが左側にあるから)という。左,右を逆にしたaKの形の部分集合も考えられるが,この左右の区別のいらない場合,すなわち,〈k∈K,a∈Gならば,a⁻1ka∈K〉の成り立つとき,KはGの正規部分群であるといい,各Kaを,Kを法とする剰余類という。剰余類全体は,(Ka)(Kb)=Kabと乗法を定義すると新しい群ができる。この群を剰余類群と呼び,G/Kで表す。この事情は整数全体Zが加法に関して群であり,一つの整数nの倍数全体nZが部分群になり,nで割って余りが同じになるものをひとまとめにしたものが各剰余類であることを思い浮かべれば理解の助けになろう。
H,Kが群Gの部分群であるとき,{h⁻1k⁻1hk|h∈H,k∈K}を含む最小の部分群を,HとKとの交換子群といい,[H,K]で表す。[H,H]をD(H)と表すことにする。G=G0とおき,Gi+1=D(Gi)と定めたとき,G=G0⊇G1⊇……⊇Gn⊇……となるが,あるnでGnが単位元だけになるとき,Gは可解群であるという。次のような部分群の列があるといっても同じである。G=H0⊃H1⊃……⊃Hm={単位元},各Hi(i=1,2,……,n)はHi-1の正規部分群で,Hi-1/Hiがアーベル群。
方程式が代数的に解けるための条件は,ガロア群がこの性質をもつことであるという理由で,このように名づけられたのである。
Hが群Gの部分群であるとき,互いに異なる右剰余類Haの数(無限の場合も考える)をHのGにおける指数という。[G:H],(G/H)などで表される。これは左剰余類で定義しても同じになる。Gの元の数をGの位数といい|G|,♯(G)などで表される。これが有限である場合には,有限群と呼ぶ。Gの元aについて,aで生成された巡回群〈a〉の位数をaの位数という。|G|が有限である場合,各HaはHと同じ個数の元からなるから,|G|=[G:H]×|H|が得られ,部分群Haの位数,指数はGの位数の約数であることがわかる。
群Gの正規部分群が,Gと{単位元}以外にはないとき,Gは単純群であるという。n≧5のとき,n次交代群(置換群)は単純群である。このことは五次以上の方程式が一般には代数的に解けないことと関連する。体Kの上のn次特殊線形群Gの中で,スカラー行列全体Nは,正規部分群であるので,G/Nを考えることができる。n≧2のとき,二つの場合(n=2で,Kの元数2または3)を除いて,G/Nは単純群である。
群Gにおいて,Z={x∈G|どんなy∈Gに対してもxy=yx}は正規部分群である。これをGの中心という。上の特殊線形群Gの場合,Nが中心になっている。
有限群Gの位数が素数pのべきpeであるとき,Gはp群であるという。e≧1であれば,Gの中心の位数はpm(m≧1)である。したがって,次のような部分群の列がある。{単位元}=Z0⊂Z1⊂……⊂Zs=G,各i=1,2,……,sについて,Zi/Zi-1はG/Zi-1の中心。したがって,p群は可解群である。
一つの群Gを調べるのに,他の群Hへの準同型φを考え,φの核φ⁻1(1)={x∈G|φ(x)=1(単位元)}およびφ(G)を調べることが有効であることがある。このようなφ,Hを考えることをGの表現という。Hが線形群であるのが通例であり,群の表現論といえば,そのような表現に関する理論を意味するのがふつうである。その他の型の表現の例として,置換表現がある。Hが群Gの部分群で,であるとき,各g∈Gに対しn個の集合a1H,……,anHの上の置換,
a1H a2H……anH
ga1H ga2H……ganH
を対応させると,Gからn次の対称群の中への準同型が得られるのである。
正n角形Fの位置を定めた上で,Fの回転および裏返しによるFからFへの変換は,回転がn個,裏返しと回転の合成がn個,合計2n個の元からなる群を作る。このような群を二面体群という。正多面体には,正四面体,正六面体(すなわち立方体),正八面体,正十二面体,正二十面体がある。正n面体Kの位置をきめ,Kの中心を中心とする回転で,Kの位置を変えないもの全体の作る群をn面体群といい,それらを総称して,正多面体群という。四面体群は四次交代群と同型で,位数は12である。六面体群,八面体群,四次対称群は同型で,位数は24である。十二面体群,二十面体群,五次交代群は同型で,位数は60である。
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
抽象代数学の概念の一つ。単に数の演算にとどまらず、写像の合成、置換の合成、行列の演算、回転変換の合成など、ある種の操作において閉じている体系が至る所でみいだされる。集合におけるある一つの演算にのみ注目して、他のすべての性質を捨象するとき、群の概念に到達する。最初、ガロアによって方程式の問題を解の間の置換のなす群の問題に転換することで導入された群の概念は、急速に発達して、現代代数学の基本概念となっている。
[足立恒雄]
Gを集合とし、Gには(いま注目している)一つの演算が与えられているとする。元a、bの間の演算の結果をa*bと表すことにする(簡単のため、abのように*を略すこともある)。次の四つの性質が成り立つとき、Gは*なる演算のもとで群をなすという。
(1)Gは演算*で閉じている。すなわち、任意の2元a、bに対してa*b∈G
(2)Gの任意の2元a、bに対して
a*(b*c)=(a*b)*c (結合法則)
(3)Gには単位元とよばれる特別な元eが存在して、Gの任意の元aに対して
e*a=a*e=a
(4)Gの任意の元aに対してaの逆元とよばれる元bが存在して
a*b=b*a=e
(3)に述べた単位元はただ一つしか存在しないことが証明される。また逆元も各aに対してただ一つしか存在しない。そこでこれをa-1と記す。とくに
a*b=b*a (可換法則)
がGの任意の2元a、bに対して成り立つとき、Gは可換群またはアーベル群とよばれる。群Gの空でない部分集合HがGと同じ演算で群をなすとき、HはGの部分群であるといわれる。
[足立恒雄]
(1)置換群 Mを数字1、2、……、nのなす集合とする。Mの置換とはMからMの上への写像のことである。あるいは1、2、……、nの順列と考えてもよい。Mの置換の全体をSnと記す。Snは写像の合成を積と考えるとき、群をなす。これをn文字の対称群という。Snの部分群を置換群という。
(2)一次変換群 実数体や複素数体などの可換体をKとする。Kの元を成分とする正則なn次正方行列の全体は乗法で群をなす。これを体K上のn次の一般一次変換群といってGL(n, K)で表す。とくに行列式が1のものばかりの集合をSL(n, K)とすると、これはGL(n, K)の部分群をなす。SL(n, K)は特殊一次変換群といわれる。
(3)合同変換群 三次元のユークリッド空間をR3とする。R3からR3の上への1対1の写像であって、2点間の距離を変えないものを合同変換という。合同変換の全体は合同変換群とよばれる群をつくる。とくに、回転軸が定点Oを通るような二つの回転の積は、またOを通る直線を回転軸とする回転である。定点Oを動かさない回転の全体のなす群を、Oを中心とする回転群という。回転群は合同変換群の部分群である。
さらに、定点Oを中心とする特定の正多面体を考え、それを合同な位置にもたらすような回転の全体は回転群の部分群をなす。これらを多面体群と総称する。正多面体が正四面体、正八面体、正二十面体であるに従って、それぞれ正四面体群、正八面体群、正二十面体群という。
[足立恒雄]
Nを群Gの部分群とする。Gの任意の元xに対して
xN=Nx
を満たすとき、NはGの正規部分群であるといわれる。ただし
xN={xy|y∈N},
Nx={yx|y∈N}
である。G/NでもってxN(xはGの元)の形の集合の集合を表すことにする。
G/N={xN|x∈G}
G/Nの2元xNとyNの間で
(xN)・(yN)=xyN
と演算を定義する。Nが正規部分群であることによってG/Nはこの演算の定義により群をなす。G/NはGのNによる剰余類群とか商群とよばれる。
たとえばZを整数のなす加法群とする。Mでもって一つの整数mの倍数全体のなすZの部分群とする。アーベル群においてはすべての部分群が正規である。したがってZのMによる剰余類群がつくられる。これはいわゆる法mでの剰余類の考え方である。
[足立恒雄]
群GがG自身と単位元eだけからなる部分群{e}以外には正規部分群をもたないとき、単純であるといわれる。有限単純群の分類の研究は近時盛んに行われ、日本の学者も大いに貢献した。
[足立恒雄]
Sを群Gの部分集合とする。Sを含むGの最小の部分群がG自身となるときSはGの生成系である、といわれる。G自身Gの生成系である。ただ一つの元からなる生成系をもつとき、群は巡回群であるといわれる。Zは1から生成される巡回群である。またωを1の虚数の3乗根とするとき、
G={1,ω,ω2}
は巡回群で、ωがGの生成元である。
[足立恒雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
数学では,お互いの関係が,下記のような四つの規則で定義される元の集合を群とよぶ.対称性をもつ結晶や,化合物の幾何学的構造に対する対称操作がこの規則に従うので,結晶や化合物の電子状態および振動状態を議論するのに広く使用されている.四つの規則を元である対称操作a,b,c,…について述べる.
(1)二つの対称操作を組み合わせると必ずこの集合のなかのどれかの対称操作と同じになる.これを次のように書く.
ab = c.
(2)操作の順をかえなければ同じ結果になる.
(ab)c = a(bc)(結合則).
(3)何も行わない対称操作(恒等操作)eが集合のなかに必ず含まれる.
ae = ea = a.
(4)集合には対称操作の逆操作が必ず含まれる.それを a-1 で表すと,
aa-1 = a-1a = e
である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
(桂利行 東京大学大学院教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…どちらの型の表でも,原子番号1の水素Hから103のローレンシウムLrまで,あるいは104や,最近報告されている105以上の数個の元素をも含めて,あらゆる元素を原子番号の順序に階段状に配列し,原子の構造,元素の性質のよく似たものどうしが上下に重なり合うように巧みに構成してある。表の縦方向に重なり合う元素群は同じ族group,横方向にならぶ元素群は同じ周期periodに属するという。族には表の左端からIA,IIA,IIIA,……,VIIA,VIII,IB,IIB,……,VIIB,0の諸族があり,またIIIA族の下部にはランタノイドおよびアクチノイドと総称される諸元素が相次いで現れる。…
…ある目標をもち,それを達成するために相互に活動しあい,共属していると感じている複数の人々の結合を集団あるいは社会集団という。ビジネスや教育のための集団のように,目標が明確に限定されている場合もあるし,友人の集団のようにいっしょにいること自体が暗黙の目標になるという場合もある。人々の相互作用が定期に組織的に行われる場合もあるし,そうでない場合もある。共属の感情が強くて一体感や〈われわれ意識〉(we‐feeling,成員が自覚的に集団それ自体を一つの主体として意識するところに生ずる共通の感覚)をもつ集団もあるし,それが弱い集団もある。…
…化学用語。周期表中,縦の列に並ぶ元素をまとめて元素の族という。同じ族に属する元素は同族元素と呼び,番号または名称をつけて表す。すなわち長周期型周期表では,最外殻の原子価電子の配置が同じタイプの元素がくりかえし出現して縦に並ぶように配列されている。したがって縦の列に並ぶ元素は化学的性質,化合物の形,原子価などが比較的よく似たものが集まることになる。ただし歴史的には,逆に元素の分類から周期表が作られたので,その族としての分類は,短周期型でI族からVIII族まで,および0族とし,それをさらにA,Bの亜族で分けるのが普通に用いられている。…
…動物の集合を表す一般用語で,日本語では動物種によらずこの語を用いてとくに違和感を感じないが,英語では,遊泳中の魚群などにはschoolをあて,鳥類の群れにはflockを,有蹄類の群れにはherdを,オオカミの群れにはpackを,ライオンなどの群れにはprideを,クジラやアザラシなどの小さな群れにはpodを,またサルなどの組織化された群れにはgroupを,その比較的サイズの大きいものにはtroopをあてる。これらの群れには,その構成員が定まっているものと,同種の個体あるいは同種で同年齢の個体,あるいは同じ性の個体であれば自由に入れ換えが可能なものとがある。…
※「群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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