翳す(読み)カザス

デジタル大辞泉 「翳す」の意味・読み・例文・類語

かざ・す【×翳す】

[動サ五(四)]
手に持って掲げる。「優勝旗を―・す」
物の上へ、手などをおおうように差し出す。「ストーブに手を―・す」
頭上や顔のあたりに手や物などをさしかけて光をさえぎる。「小手を―・す」「扇子を―・す」
[類語]掲げる示す見せる呈示する提示する開示する明示する表示する掲揚する

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精選版 日本国語大辞典 「翳す」の意味・読み・例文・類語

かざ・す【翳】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 物の上をおおって隠す。
    1. [初出の実例]「かざすともたちとたちなんなき名をば事なし草のかひやなからん〈紀貫之〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑・一二二〇)
  3. 顔の前に手や物をさしかけて光や視線をさえぎる。
    1. [初出の実例]「ワウギヲ cazasu(カザス)」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 日や熱や風に当てるようにして上に上げる。上に位置させる。
    1. [初出の実例]「沖行く船を見送りつつ、衣の領巾(ひれ)を上げ、袖をかざして招きしが」(出典:世阿彌筆本謡曲・松浦(1427頃))
    2. 「烟草盆の火入へ手を翳(カザ)して見て」(出典:人情本・閑情末摘花(1839‐41)二)
  5. 能の型の一つ。右手の扇をたなごころを下に向けて、扇の表面が内側になるように、目の前に高くかかげる。〔わらんべ草(1660)〕

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