デジタル大辞泉
「見せる」の意味・読み・例文・類語
み・せる【見せる】
[動サ下一][文]み・す[サ下二]
1 見えるようにする。人にわかるように示す。「人前に姿を―・せる」「定期券を―・せる」
2 行動・態度・表情などに表して、そうであることを人にわからせる。「意地を―・せる」「関心を―・せる」「弱みを―・せる」
3 経験させて、わからせる。「痛い目を―・せる」「憂き目を―・せる」
4 ある状態やようすに見えるようにする。そのように見せかける。「年齢より若く―・せる」「故意を過失に―・せる」
5 あるきざしが現れる。「景気がかげりを―・せる」
6 診察・鑑定などをしてもらう。「子供を医者に―・せる」「茶器を目利きに―・せる」
7 すばらしい芸や技などで人の心を引きつける。「幅広い演技で―・せる俳優」
8 嫁がせる。結婚させる。
「少将などいふほどの人に―・せむも」〈源・東屋〉
9 ようすを調べさせる。検分させる。
「跡なきことにはあらざめりとて、人をやりて―・するに」〈徒然・五〇〉
10 (補助動詞)動詞の連用形に助詞「て」の付いた形に接続して用いる。
㋐実際にその行為をして、人に示す。「歌って―・せる」「おどけて―・せる」
㋑強い決意を表す。「絶対に勝って―・せる」
[補説]6は、診察してもらう意では「診せる」とも書く。7は、「魅する」からの連想で多く「魅せる」と書く。
[下接句]後ろを見せる・尾を見せる・顔を見せる・白い歯を見せる・泣きを見せる・抜く手も見せず・目に物見せる・目を見せる
[類語]示す・呈する・呈示する・提示する・開示する・明示する・表示する・掲揚する・かざす・掲げる
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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み・せる【見】
- 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]み・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 - ① 見るようにさせる。人にわかるように示す。
- [初出の実例]「悔しかもかく知らませばあをによし国内(くぬち)ことごと美世(ミセ)ましものを」(出典:万葉集(8C後)五・七九七)
- 「いかではかなき心ざしをみせんと思ひて」(出典:落窪物語(10C後)一)
- ② ( 顔を見せるの意から ) 相手の前に姿を現わすようにする。人をたずねたり、人に会ったりする。
- [初出の実例]「よし、なほおほかたにて、見せむ。月おもしろきに、と言へば、来たり」(出典:平中物語(965頃)二)
- ③ とつがせる。めあわせる。
- [初出の実例]「かしづかんと思はむ女こをば、宮仕へにつぎては、みこたちにこそはみせ奉らめ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
- ④ 様子を調べさせる。見とどけさせる。
- [初出の実例]「心えで、人をつけてみすれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
- ⑤ 経験させる。
- [初出の実例]「さかしりをかき出て、ここらのおほやけ人に見せてはぢを見せん」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ⑥ 占わせる。
- [初出の実例]「しのびてよろしき日みせて」(出典:青表紙一本源氏(1001‐14頃)明石)
- ⑦ 診察させる。
- [初出の実例]「后呂太后、良医をむかへて見せしむるに」(出典:平家物語(13C前)三)
- 「医者に診(ミ)せるが可いですね」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
- ⑧ ( 動詞の連用形に助詞「て」を添えた形につき、補助動詞のように用いる ) ためしに…して人に示す。
- [初出の実例]「然ば暫く居たれ、水飯食て見せむ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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