示す(読み)シメス

デジタル大辞泉 「示す」の意味・読み・例文・類語

しめ・す【示す】

[動サ五(四)]
相手によくわかるように、出して見せたり、自分で何かをして見せたりする。「定期券を―・す」「身をもって―・す」
指などでさして教える。「地図を出して―・す」
計器時計などが、ある目盛りを指す。「寒暖計が三〇度を―・す」
考え・気持ち・反応などが相手に伝わるように、何かの方法で表して見せる。「誠意を―・す」「態度で―・す」「格段の進歩を―・す」
ある現象が、物事の状態・傾向を表す。「気圧配置が今年の暖冬を―・している」
さとし戒める。
「宿の男などとの事は末の名の立つをひそかに―・し」〈浮・一代男・六〉
[可能]しめせる
[類語](1見せる呈示する提示する開示する明示する表示する掲げる掲揚するかざす/(2指す指し示す指示する指差す名指す名指し指摘指定指名/(3表す見せる/(4見せる表す/(5呈する教える知らせる教示する示教する指教する助言する入れ知恵する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「示す」の意味・読み・例文・類語

しめ・す【示】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 物を実際に出して見せる。あらわす。
    1. [初出の実例]「任那と新羅と策を席(しきひ)の際に運(はこ)むて、蜂蛇(はちをろち)の恠(しるまし)を現(シメス)」(出典:日本書紀(720)欽明二年七月(寛文版訓))
    2. 「かやうにもゆめなどしめいたまはずとも、この人の御往生、うたがひ申べきならず」(出典:大鏡(12C前)三)
  3. 感情、意志などを外に表わして見せる。はっきりと知らせる。
    1. [初出の実例]「にほ鳥の潜(かづ)く池水心あらば君に吾が恋ふる心示左(しめサ)ね」(出典:万葉集(8C後)四・七二五)
    2. 「舟を沈め糧を捨て、二度び帰らじと云心を示(シメ)すは、良将の謀なり」(出典:太平記(14C後)三一)
  4. さして教える。指示する。また、夢などで告げる。
    1. [初出の実例]「吾妹子に猪名野は見せつ名次山角の松原いつか示(しめさ)む」(出典:万葉集(8C後)三・二七九)
    2. 「雨風やまばこの浦に寄せよと、かねてしめすことの侍りしかば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  5. 教えさとす。訓戒する。
    1. [初出の実例]「『我国第一の能説をきかん事を悦おもふに、いかにかくさまたげはするぞ』としめしたまひければ」(出典:古今著聞集(1254)一二)
    2. 「宿の男などとの事は末に名の立をひそかにしめし、やり手がよく計(はかり)算用もきかず」(出典:浮世草子好色一代男(1682)六)
  6. みせしめにする。

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