改訂新版 世界大百科事典 「老農類語」の意味・わかりやすい解説 老農類語 (ろうのうるいご) 陶山鈍翁が1722年(享保7)に編集した農業指導書。鈍翁は対馬藩の郡奉行をつとめ“対馬聖人”と善政をたたえられた。本書は領内8ヵ郷の老農たちが提出した体験報告をもとにまとめられ,イネをはじめ10余種の作物をあつかうが,対馬の主作物オオムギについて,とくに詳しい。傾斜地を焼畑にしてオオムギを粗放栽培する木庭作(こばさく)の慣行を批判し,その改良を提言している。執筆者:筑波 常治 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「老農類語」の意味・わかりやすい解説 老農類語ろうのうるいご 江戸時代中期の農書。陶山訥庵 (鈍翁) 編纂。享保7 (1722) 年成立。編纂者訥庵は儒者で対馬藩士。寛文年間 (1661~73) 江戸に出て,木下順庵の門弟となり,のち朝鮮支配佐役,郡奉行を歴任。内容は作物別に種々老農の説を紹介し,田畑,木庭 (こば。対馬における焼畑) の耕作法,獣害 (いのししなど) 防御法などを論じている。対馬の一般農民に配付され大いに啓蒙に資したという。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by