(読み)き

精選版 日本国語大辞典 「耆」の意味・読み・例文・類語

き【耆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 六〇歳から七〇歳までの年寄り。
    1. [初出の実例]「凡そ人の幼といひ、弱といひ、壮といひ、強といひ、艾(かい)といひ、耆(キ)といひ、老といひ、耄(ばう)といふ」(出典随筆・折たく柴の記(1716頃)下)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼上〕
  3. 令制で、六六歳以上の年寄りをいう。
    1. [初出の実例]「廿以下為中。其男廿一為丁。六十一為老。六十六為耆」(出典:令義解(718)戸)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「耆」の読み・字形・画数・意味


10画

[字音] キ・シ
[字訓] としより・このむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は旨(し)。旨は詣(けい)の初文。〔説文〕八上に「老なり」とし、字を老の省に従って旨声とするが、字の本音と合わない。詣は稽の初文で稽首の意があり、その姿勢のように曲したものの意であろう。〔礼記、曲礼上〕に「六十を耆と曰ふ。指す」とあるのは、旨の声を用いたものである。嗜好の意はまた別義。

[訓義]
1. としより。六十、また七十以上という。
2. 長者耆宿の人、おさ。
3. 嗜と通じ、たしなむ、このむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕耆 コハシ・オキナビト・六十・オヨス・ニクム/耆宿 オキナビト・フルオキナ 〔字鏡集〕耆 ニクム・ツカル・タカシ・イタル・コハシ・ミル・ヲキナ・ヲイタリ・オホヨソ・オモキ

[声系]
〔説文〕に耆声として・嗜・の三字を収める。支柱。〔説文〕六上に「なり」とあって、礎石の部分をいう。旨は詣・稽の初文で、つくばうような姿勢をいう字であった。

[熟語]
耆英・耆・耆旧耆訓耆賢耆彦・耆耆寿耆儒耆秀・耆宿耆臣耆碩・耆耆哲耆耋耆徳・耆年耆耄・耆名・耆・耆耆臘耆老・耆酒耆定耆昧耆欲耆利
[下接語]
耆・村耆・年耆・幼耆・養耆

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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