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耐震強度偽装 たいしんきょうどぎそう

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知恵蔵2015の解説

耐震強度偽装

国土交通省が2005年11月17日、姉歯秀次元1級建築士(当時48)が構造計算したマンションホテル計21棟の耐震強度が不足していると発表したのが騒動の始まり。地震国の日本で、建物の安全に責任を持つべき建築士が耐震強度を偽装するという前例のない不正で、元建築士と関係のあった販売業者らも逮捕された。警視庁などの捜査本部が05年12月から06年6月まで捜査した結果、偽装自体は姉歯元建築士の単独犯行と結論づけた。刑事責任の追及は山を越えたが、被害者の救済や偽造を見抜く検査能力強化など今後の課題は多い。国交省の調べでは、姉歯元建築士による偽装物件は99件にのぼる。起訴された罪名は、(1)耐震強度不足の建物を建てさせた建築基準法違反、(2)1級建築士でなければできない設計をした無資格デザイナーの犯行を助けた建築士法違反幇助、(3)05年12月の国会証人喚問で、偽装の開始は建設会社側から圧力をかけられたためなどと虚偽証言をした議院証言法違反(偽証)。動機は当初の「発注元の圧力で」や「時間に追われて」から二転三転、逮捕から2カ月後の06年6月時点では「金が欲しかった」「自分から虚偽の計算を始めたとは言いづらかった」と供述している。ほかに起訴されたのは木村建設社長(決算粉飾=建設業法違反、ホテルの強度不足を知りながら工事代金詐取=詐欺)、木村建設東京支店長(決算粉飾)、イーホームズ社長(見せ金増資=電磁的公正証書原本不実記録・同供用)、ヒューザー社長(マンションの強度不足を知りながら販売代金詐取=詐欺)。再発防止のために政府が提出した建築基準法や建築士法などの改正関連法が06年6月に成立。建築確認の審査厳格化、強度偽装に対する懲役刑導入など罰則強化が柱だ。審査厳格化では、高さ20mを超える鉄筋コンクリートの建物の建築確認は第三者機関、構造計算適合性判定機関の専門家による審査を義務付けた。罰則強化は、設計段階の強度偽装は「懲役1年以下または罰金100万円以下」とし、着工後に発覚した偽装は「懲役3年以下または罰金300万円以下」とした。これまで設計図だけの偽装を処罰する規定はなく、着工後に発覚した偽装は「罰金50万円以下」しかなかった。業者が強度不足を隠して建物を販売した場合の罰則も、現行の「懲役1年以下または罰金50万円以下」から「懲役2年以下または罰金300万円以下」に強化した。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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