聖体論争(読み)せいたいろんそう

百科事典マイペディアの解説

聖体論争【せいたいろんそう】

聖餐論争〉ともいい,英語ではEucharistic controversy。キリスト教のミサにおいてキリストの体と血として拝領されるパンとブドウ酒が形質の変化をとげているのか否か,あるいは変化をとげた両者が物質としての本質をとどめるか否かをめぐってなされた論争。9世紀以来の歴史があり,ローマ・カトリック教会はその〈全質変化〉を教義とし,ルターは変化は認めるものの形質は残存するとの〈実体共存説〉を,ツウィングリは変化の象徴説を説くなど,教派により見解は多様である。聖餐の秘儀性を実践的信仰の核心と考えるキリスト教ならではの論争。
→関連項目聖体

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世界大百科事典 第2版の解説

せいたいろんそう【聖体論争 Eucharistic controversy】

キリスト教の祭儀の中心をなす聖餐式(ミサ)において,キリストの体と血として信者が受領するパンとブドウ酒が形質の変化をとげてそれとなるのか,あるいは象徴的な変化にとどまるのかをめぐる論争。〈聖餐論争〉とも呼ぶ。〈最後の晩餐〉でキリストの述べたことばが聖餐の起源となった以上,聖餐で用いるパンとブドウ酒がキリストの体と血に変化することは,キリスト教徒にとって疑いのない事実であった。したがって聖体論争は,聖餐において変化したキリストの体と血が天に神として存在するキリストの体と血とまったく同一のものであるか,あるいは聖変化をとげたパンとブドウ酒が物質としての本質を失うか否かをめぐって展開された。

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