キリスト教の教義や教会の規律に関する事項を審議決定するために招集される司教あるいは幾つかの教会の代表者の公式の集会。地方的な会議synodusと全体的な会議concilium oecumenicumとがある。後者は単に公会議とも呼ばれるが,総会議あるいは世界教会会議,万国公会議などの訳語をあて,前者の地方教会会議と区別することが多い。世界教会会議は現行のローマ教会法では教皇または教皇特使の司会で開催され,教皇が開催中に死亡した場合は次期教皇が招集するまで休会となる。議決は教皇の認可があれば全信者に適用されるが,教皇の承認がなければ公会議とは言われない。ただし9世紀までの全体的な会議は,いずれも東方でローマ皇帝やコンスタンティノープル総主教によって開催されたもので,ローマ教皇を招集者としてはいないが,カトリック教会はそのうちの八つと1123年の第1ラテラノ公会議以後,1962-65年の第2バチカン公会議までの13会議を加えた21を世界教会会議としている。しかし東方正教会とプロテスタント諸教会は325年の第1ニカエア公会議から787年の第2ニカエア公会議までの7回を全体的会議(東方正教会の用語では全地公会,プロテスタント教会の用語では総会議)としているにすぎないし,プロテスタント教会のなかには最初の四つだけを総会議とするものもあって,公会議に普遍性をどう見るかは現実にはキリスト教内で必ずしも一致しているわけではない。しかし信仰や慣習について紛糾や争論が生じた場合,全教会と協議するのは使徒教会以来行われていたので(《使徒行伝》15),公会議はキリスト教会のその時々の動向を映す最良の鏡である。とくに三位一体の神性をめぐって二転三転した初期の公会議,近代カトリシズムの基礎を確立したトリエント公会議,教会一致を主題にした第2バチカン公会議などは注目に値する。
執筆者:今野 國雄
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