公会議(読み)コウカイギ

デジタル大辞泉 「公会議」の意味・読み・例文・類語

こう‐かいぎ〔‐クワイギ〕【公会議】

ローマ‐カトリック教会で、教会全体におよぶ教義・規律に関する事項を審議決定するための宗教会議教皇全世界枢機卿司教その他議決権有資格者を招いて司会する。

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精選版 日本国語大辞典 「公会議」の意味・読み・例文・類語

こう‐かいぎ‥クヮイギ【公会議】

  1. 〘 名詞 〙 ローマカトリック教会で、教会全体にわたる教義、教会規律に関する事柄を討議・決定するため、教皇が全世界の枢機卿、司教、神学者などを招集して司会する会議。
    1. [初出の実例]「カトリック教会の公会議が法王ポール六世の主宰の下に開かれ」(出典:霧の朝(1965)〈森有正〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「公会議」の意味・わかりやすい解説

公会議 (こうかいぎ)

キリスト教の教義や教会の規律に関する事項を審議決定するために招集される司教あるいは幾つかの教会の代表者の公式の集会。地方的な会議synodusと全体的な会議concilium oecumenicumとがある。後者は単に公会議とも呼ばれるが,総会議あるいは世界教会会議,万国公会議などの訳語をあて,前者の地方教会会議と区別することが多い。世界教会会議は現行のローマ教会法では教皇または教皇特使の司会で開催され,教皇が開催中に死亡した場合は次期教皇が招集するまで休会となる。議決は教皇の認可があれば全信者に適用されるが,教皇の承認がなければ公会議とは言われない。ただし9世紀までの全体的な会議は,いずれも東方でローマ皇帝コンスタンティノープル総主教によって開催されたもので,ローマ教皇を招集者としてはいないが,カトリック教会はそのうちの八つと1123年の第1ラテラノ公会議以後,1962-65年の第2バチカン公会議までの13会議を加えた21を世界教会会議としている。しかし東方正教会プロテスタント諸教会は325年の第1ニカエア公会議から787年の第2ニカエア公会議までの7回を全体的会議(東方正教会の用語では全地公会プロテスタント教会の用語では総会議)としているにすぎないし,プロテスタント教会のなかには最初の四つだけを総会議とするものもあって,公会議に普遍性をどう見るかは現実にはキリスト教内で必ずしも一致しているわけではない。しかし信仰や慣習について紛糾や争論が生じた場合,全教会と協議するのは使徒教会以来行われていたので(《使徒行伝》15),公会議はキリスト教会のその時々の動向を映す最良の鏡である。とくに三位一体の神性をめぐって二転三転した初期の公会議,近代カトリシズムの基礎を確立したトリエント公会議,教会一致を主題にした第2バチカン公会議などは注目に値する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公会議」の意味・わかりやすい解説

公会議
こうかいぎ
concilium; council

キリスト教において教義,行政,宗規などに関して協議する司教ら指導者による集り。これはカトリックの呼び方で,プロテスタントでは総会議または大会議という。普遍公会議のほかに地域的な教会会議があり,後者はシノドスと呼ばれる場合が多く,前者のみが単に公会議と呼ばれる。カトリック教会の理解によれば,公会議は教皇が招集し,教皇またはその特使を議長として進められ,その決議は教皇の承認を得て発効する。教皇の承認を得ぬものは公会議とはみなされないが,古代にはこの手続が確立しておらず,当時の公会議を普遍公会議としているのは教会内の伝統の力である。また特に 15世紀の西方教会大分裂の時期には,教皇権の弱体化,統率力の低下と相まって,公会議は教皇の上位にあるとする公会議首位説 (→公会議主義 ) が盛んであった。カトリック教会が認めている公会議はニカイア公会議 (325) から第2バチカン公会議 (1962~65) まで 21回ある。 1054年の東方教会離教以後の会議およびその遠因になった第8回公会議をギリシア正教会は普遍公会議とは認めず,普遍公会議は厳密には7回しか開かれていないとされる。起源としては『使徒行伝』にみえるエルサレム集会が考えられ,2世紀後半にはモンタヌス派に対して小アジアで,復活祭の祝い方に関してローマで教会会議が開かれたことが確認されている。3世紀にはこの司教会議は慣例化し,313年のキリスト教公認とともに全地域にわたる会議が必要となり,314年にはコンスタンチヌス大帝によりアルル教会会議が開かれ,ドナツス派の離教などが協議された。普遍公会議という言葉は史家エウセビオスがニカイア公会議の記述に用いたのに始るが,その理念の確立には5世紀を待たねばならなかった。

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百科事典マイペディア 「公会議」の意味・わかりやすい解説

公会議【こうかいぎ】

キリスト教会において,教義と教会規則に関する諸事項を審議決定する会議。特定国の司教のみによる地方的公会議synodusと,全教会の司教による万国公会議concilium oecumenicumとに大別し,ふつう後者を単に〈公会議〉と呼ぶ(プロテスタントでは〈総会議〉,東方正教会では〈全地公会〉)。教皇または教皇特使の司会の下に司教その他教会代表者を召集して開催。その評価,史上どの会議を公会議と認めるかについては教会によって一定しない。
→関連項目宗教会議ラテラノ公会議

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旺文社世界史事典 三訂版 「公会議」の解説

公会議
こうかいぎ
concilium (ラテン)

カトリック教会で,教義・教会規律などについて審議決定するために開く会議。宗教会議ともいう
召集権は古代ローマでは皇帝にあったが,中世では国王からローマ教皇に移り,教皇権が衰微した中世末期には公会議の教皇に対する優位が唱えられ,教義決定の最高権威とされた。ニケーア(325),クレルモン(1095),コンスタンツ(1414〜18),トリエント(1545〜63)などの公会議が有名。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「公会議」の解説

公会議(こうかいぎ)

教会会議
全教会会議

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「公会議」の意味・わかりやすい解説

公会議
こうかいぎ

宗教会議

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