肺高血圧症(読み)ハイコウケツアツショウ

デジタル大辞泉 「肺高血圧症」の意味・読み・例文・類語

はいこうけつあつ‐しょう〔ハイカウケツアツシヤウ〕【肺高血圧症】

心臓から肺に血液を送り出す肺動脈血圧が異常に高くなる病気。肺の小動脈で血液が流れにくくなっているために起こる。初期は無症状だが、進行すると、息切れ・全身倦怠感・めまい・立ちくらみなどの症状が現れる。肺動脈性肺高血圧症慢性血栓塞栓性肺高血圧症指定難病

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肺高血圧症」の意味・わかりやすい解説

肺高血圧症
はいこうけつあつしょう
pulmonary hypertension

小循環系の高血圧症で,肺動脈圧が異常高価を示す (平均 25mmHg以上) 。本態性 (原発性) と2次性とがある。2次性肺高血圧症は,肺性心,肺塞栓肺動脈弁狭窄症心房中隔欠損症アイゼンメンゲル症候群僧帽弁疾患,左心房の粘液腫などに合併する。本態性肺高血圧症は,原因不明のきわめてまれな疾患で,20~40歳代の婦人に好発する。症状は呼吸困難,前胸部の不快感や運動時の疼痛衰弱,疲労感,労作時失神など。また,右心の拡張肥大,肺動脈硬化,肺動脈圧の著明な上昇などがある。本症の自然経過は比較的短く,5年以内で,現在のところ有効な治療法はない。右心不全に対しては,強心剤と利尿剤が対症的に使用される。

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