背山(読み)セヤマ

デジタル大辞泉 「背山」の意味・読み・例文・類語

せ‐やま【背山/兄山】

一対の山を男女夫婦に見立てた場合、男性・夫にあたる山。→妹背山いもせやま

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精選版 日本国語大辞典 「背山」の意味・読み・例文・類語

せ‐やま【背山・兄山】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 相対する二つの山を男女に見たてた際、男性にあたる山。妹山(いもやま)とあわせて妹背山(いもせやま)と呼ぶ。のちに、山の名となる。せのやま。
    1. [初出の実例]「〈本〉あちの山世山(セやま)〈末〉世山(セやま)や世山(セやま)」(出典:神楽歌(9C後)早歌)
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] ( 「せのやま」とも ) 和歌山県北部、かつらぎ町にある妹背山のうち、男性に見たてられる方の山。
      1. [初出の実例]「凡そ畿内は東は名墾(はり)の横河より以来、南は紀伊の兄山(セノヤマ)より以来」(出典:日本書紀(720)大化二年正月(寛文版訓))
    2. [ 二 ] 奈良県中部、吉野町にある妹背山のうち、男性に見たてられる方の山。
      1. [初出の実例]「上市 吉野河の北岸に在町也。〈略〉此地の河辺の両旁に河を隔て妹背山とて両山有り。飯貝の方にあるを、背山と云」(出典:和州巡覧記(1696))
    3. [ 三 ] 石見国(島根県)にあるといわれる妹背山のうち、男性に見たてられる方の山。

せ‐の‐やま【背山】

  1. せやま(背山)

せ‐やま【背山】

  1. 〘 名詞 〙 背後にそびえる山。うしろにある山。

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日本歴史地名大系 「背山」の解説

背山
せやま

[現在地名]かつらぎ町背ノ山・高田

紀ノ川の北岸にあって二峰からなり、高所の標高一六七・六メートル。やま側の峰を鉢伏はちぶせ山という。「日本書紀」大化二年(六四六)正月一日条の大化改新の詔に畿内の四至の南限とある「紀伊の兄山」に比定され、同書には「兄」に訓注がある。「万葉集」巻一に阿閇皇女(元明天皇)勢野せの山を越えた時の歌として、

<資料は省略されています>

がみえ、大和から真土まつち(現橋本市)を越えて、紀ノ川北岸沿いに西へ延びる紀路の途中にあったことがわかる。背山の東の萩原はぎはらには、弘仁二年(八一一)まで萩原はぎわら駅があったといわれる(日本後紀)。また「万葉集」には、背山に対していも山が詠まれ、現在、対岸西渋田にししぶたにある妹山に比定される(→妹山

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