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胡万春 こまんしゅんHu Wan-chun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胡万春
こまんしゅん
Hu Wan-chun

[生]1929.1.7. 上海
中国の小説家。上海の人。 13歳から鉄鋼労働者として働き,ほとんど字も知らなかったが,解放後学習して新聞の職場通信員となり,やがて創作の筆をとるようになった。『肉身』 (1955) ,『新しい人間像』 (59) などが代表作。労働者出身の作家として,その体験に基づく新しい都市労働者の姿を描き,比較的農村農民を題材とすることの多かった解放後の中国現代文学に新生面を開いた。文化大革命のなかでは,毛沢東の文芸路線を支持する論文,また 1975年には中編小説『戦地春秋』を発表している。ほかに『青春』『おおみそか』など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胡万春
こまんしゅん / フーワンチュン
(1929― )

中国の小説家。本籍浙江(せっこう/チョーチヤン)(ぎんけん)、上海(シャンハイ)生まれ。労働者出身。ほとんど字が読めなかったが、姚文元(ようぶんげん/ヤオウェンユアン)らに導かれて創作を始めた。短編『肉親』(1955)で脚光を浴び、その後、青年労働者や壮年の熟練工など、社会主義体制下の労働者群像を活写する短編を数多く発表した。1964年には、話劇『激流をおかして』を発表、優秀シナリオと評された。この間、『労働報』『萌芽(ほうが)』の編集に参加し、また『中国青年報』『人民日報』の特約記者となった。文化大革命中、毛沢東(もうたくとう/マオツォートン)の文芸路線を擁護し、上海作家協会革命委員会の要職についた。短編集『青春』(1956)、『光は大地を照らす』(1961)のほか、文革後、「四人組」を批判した短編『序幕』(1977)を発表した。ほかに水上生活者の活躍を描いた長編『蛙女』(1983)がある。1983年には、『胡万春中編小説集』が出され「特殊な性格」など8編が収められた。ところで胡万春は、90年代の初めに上海で書店を2店開いている。[前田利昭]
『『新しい人間像』(1961・北京外文出版社、東方書店発売) ▽伊藤克訳『中国革命文学選4 光は大地を照らす』(1963・新日本出版社) ▽久米旺生ほか訳『現代中国文学11 短篇集』(1971・河出書房新社) ▽中国語研修学校翻訳班編訳『現代中国革命文学集9 文化大革命短篇集』(1975・東方書店) ▽相浦杲著『求索――中国文学語学』(1993・未来社)』

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世界大百科事典内の胡万春の言及

【業余作家】より

…現在では,専業の予備軍にすぎない。胡万春,蔣子竜等が有名だが,彼らは専業になっても,職場を離れず,〈工人作家〉と称されている。1981年3月,業余作者は892人(男667,女225,うち少数民族47)。…

※「胡万春」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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