能力主義(読み)のうりょくしゅぎ(英語表記)merit system

  • ability principle

翻訳|merit system

デジタル大辞泉の解説

能力を重視して、人を評価すること。特に、労働者の報酬や昇進を、個人の能力を重視して行うこと。

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

能力主義とは賃金制度に関する考え方で、その人が保有する能力を反映して賃金を決定しようとするものをいう。1970年代から80年代にかけて多くの日本企業で取り入れられた。 それまでの賃金制度は、その「人」が持つ多様な要素を加味して決定されていたが、基準が曖昧で不透明な場合が多かった。それが合理的でないという指摘から、大手企業を中心に「仕事」を基準とした職務給導入が試みられたが、仕事の境界が曖昧でローテーションを行う日本の組織になじまなかった。そこで「仕事」でダメならもう一度「人」を基準にし、人が持つ「能力」に着目した考え方が合理的なものとして提唱された。 能力主義は、その後、能力を査定するのなら同時に育成を図るべきという発想から、能力開発主義という思想を生んだ。一方で、能力は段階的に向上するとか、いったん習得した能力は落ちないなど、年功的な色彩を帯びやすい考え方も含んでいた。

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大辞林 第三版の解説

企業の人事管理において、賃金・昇進などの決定基準を個人の職務遂行能力におこうとする考え方。 → 成果主義

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

人事管理の基本原則の一種で、各人の職務遂行能力を基礎にして、採用、配置、昇進、考課、給与、教育訓練を行うことをいう。能力主義以外の人事管理の基本原則には、年功主義と業績主義がある。能力主義は、学歴と年齢を基準とする年功主義に比べれば一歩前進であるが、属人的要素によって人間を処遇する点では年功主義と変わらない。能力の測定評価と担当職務の所要能力が完全に一致すればよいが、能力の測定評価には伝統的な価値基準である学歴や年齢が影響しやすく、職務との適合も容易ではない。能力以下の職務を担当する場合には能力の遊休と過大給与が生じ、逆の場合には反対の結果を生む。[森本三男]

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世界大百科事典内の能力主義の言及

【昇進制度】より

…しかし高学歴化が進展した現在,この旧来の昇進基準(学歴主義,年功序列)は再考されつつある。新しい時代にふさわしい昇進基準として,能力主義が提唱されている。能力の評価のために最も広く用いられている方法は,人事評価システムであり,さらに昇進試験あるいはアセスメントを加味する例も多くなってきている。…

※「能力主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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