脇方(読み)わきかた

精選版 日本国語大辞典 「脇方」の意味・読み・例文・類語

わき‐かた【脇方】

〘名〙
能楽で、専らワキワキヅレを演ずる役者
※日本‐明治三八年(1905)二月二二日「目下能楽界脇方として老錬無二の称ありし宝生金五郎氏は」
② 能楽で、専らワキを勤める資格のある家筋。江戸時代には、春藤・福王・進藤・高安・宝生(下掛り)の五流があり、それぞれシテ方諸流の座付きであったが、春藤・進藤は明治以降廃絶した。現在では福王・宝生・高安の三流があり、どの流派の相手をも勤める。
③ 脇の方。別の方面
※颶風新話(航海夜話)(1857)初「今日は脇方へ行かねばならぬ事があるで」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「脇方」の意味・読み・例文・類語

わき‐かた【脇方】

能楽師うちワキワキヅレ専門に務める者。また、その家柄進藤春藤福王高安宝生の五流があったが、進藤・春藤は廃絶した。→シテ方
[補説]ふつう「ワキ方」と書く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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