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脱進機 だっしんき

百科事典マイペディアの解説

脱進機【だっしんき】

てんぷまたは振子などの振動を持続させるために,それらに間欠的な力を与える装置。一定時間間隔で歯車を1歯ずつ回転させる装置で,機械時計の正しい歩度を維持する。動力伝達輪列の最後にあるがんぎ車の,特殊な角度をもつ歯先と,アンクルの二つ爪(つめ)が左右交互にかみ合い,がんぎ車からの力がてんぷや振子に伝達される。
→関連項目てんぷ時計

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世界大百科事典 第2版の解説

だっしんき【脱進機 escapement】

時計機構において,てんぷ,振子などの振動体の振動が持続するように,それらの振動体に間欠的に力を与える装置。振動体と脱進機の働きにより時計の歯車が規則正しく回って指針が正確な時刻を示す。脱進機はできるだけ振動体の周期性を損なわないよう効果的に力を与えることが必要である。初期の機械時計には図aのような冠型がんぎ車とこれとかみ合って往復運動をする棒てんぷで構成されるバージ脱進機が用いられた。棒てんぷの軸には互いに約90度をなす2個の凸起がある。

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世界大百科事典内の脱進機の言及

【機械】より

…ウィトルウィウスに出てくるのは水時計や日時計であるが,機械時計の主要素である歯車装置は彼の製粉機の記述に出てくるし,歯車の発達は早かったうえにしだいに精巧になった。原動力としておもりを利用することも紀元前から知られていたが,機械時計の製作には脱進機の発明が不可欠であった。脱進機は最初中国で水車に用いられ,1092年に水力利用の脱進機付き時計(水運儀象台)が蘇頌(そしよう)と韓公廉によって製作・完成された。…

【時計】より


[機械時計の登場]
 機械時計については,だれが発明したのかはもちろん,いつ,どこででき上がったものかも不明である。歯車装置や重錘を使った駆動機構は,機械時計の出現以前から他の機械装置の一部として使用されていたが,時計機構が成り立つうえでもっとも重要なポイントである脱進機構についてはその起源が明らかでない。一説には8世紀ころ中国で作られ,それがヨーロッパに伝わったといわれるが,水時計に歯車などの機械装置を組み合わせたものを経て,おそらく13世紀の半ば以降に,バージ脱進機(脱進機)という時計固有の機構と歯車装置との組合せによって純機械時計と呼べるものがヨーロッパに出現したと推測されている。…

※「脱進機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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