翻訳|balance
時計の運行速度を制御する部分。玩具のこまのような形状で,軸にひげぜんまい(渦巻状の細いばね)が取り付けられていて,その弾力とてんぷ輪の慣性とにより一定の周期で往復回転運動をし,この一定周期の運動が時を刻むのに利用される。軸の両端はよく研磨され,腕時計や懐中時計ではルビー製の軸受(宝石軸受)で保持され,給油により摩擦が最小になるようにしてある。てんぷは脱進機から間欠的な力を受けてその振動を持続する。水晶時計が出現するまでは,機械時計および電子時計の制御機構として,掛時計の振子とともにもっとも多く用いられた。初期の機械時計や和時計では,棒の両端におもりをつけた棒てんぷが用いられたが,ひげぜんまいがなく固有の振動数をもたない点で現在のてんぷとは異なる。現在のようなてんぷは17世紀,オランダのC.ホイヘンスの考案によるという。てんぷは和時計の用語で天府,天桴,天符などと書かれるが,語源は不明。
執筆者:小野 茂
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…質量の精密測定に用いるはかり。基本的には中央に下向きの刃を固定し刃受けで支え支点とし,支点から左右等距離の両端に上向きの刃を固定し,力点,重点とする第1次てこ(さお)の力点と重点に刃受けを介して皿をつるした手動てんびんと,さおの重点に皿と秤量(測定できる最大量)に相当する内蔵分銅を掛けた状態でつり合うカウンターウェイトを力点に固定した直示てんびんとに大別される。 手動てんびんはさおのつり合いを度表と呼ばれる目盛板で測定することから度表てんびんとも呼ばれ,その構造は図1に示す化学の分野で使用する化学てんびんに代表される。…
… バージ脱進機は17世紀半ばの時計技術革新時代が到来するまで,約400年にわたる長い年月にわたって時計の唯一の抑制機構として生き続ける。この脱進機の構造は簡単で,のこぎりのような歯をもつ冠車(かんむりぐるま)と,その歯に交互にかみ合う2枚の角板のついた軸および軸の上端に取り付けられて往復回転運動をする棒てんぷとである。のちに,棒てんぷに代わって円形のはずみ車であるてん輪やひげぜんまいが,重錘の代りにぜんまいが使われるようになって,提げ時計の時代にもまだ生き残るのである。…
※「てんぷ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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