デジタル大辞泉
「脳脊髄液減少症」の意味・読み・例文・類語
のうせきずいえき‐げんしょうしょう〔ナウセキズイエキゲンセウシヤウ〕【脳脊髄液減少症】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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脳脊髄液減少症
のうせきずいえきげんしょうしょう
脳脊髄液(髄液)の産生低下や、脳と脊髄を包む硬膜を満たしている髄液が外に漏れ出すことによって減少する病態。低髄液圧症候群ともいい、髄液が漏れ出して硬膜外に貯留する病態をとくに脳脊髄液漏出症ということもある。原因としては頭部外傷やスポーツ外傷、交通事故の後遺症(むち打ち損傷)、腰椎穿刺(ようついせんし)などがあげられる。症状は立ち上がったときに頭痛が起こる起立性頭痛、頸部(けいぶ)痛、吐き気、めまい、耳鳴りなどで、腰椎穿刺後にはとくに起立性頭痛がよくみられる。治療は臥床(がしょう)安静や水分摂取のほか、髄液漏出を確認した場合は硬膜外から自家血を注入して漏出部位をふさぐブラッドパッチを行う。
[編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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脳脊髄液減少症(脳髄漏れ)
脳脊髄液が、脳脊髄液腔から漏出することで減少し、頭痛やめまい、耳鳴り、倦怠など様々な症状を呈する疾患。交通事故や転倒などによるむち打ち後遺症として発症する症例が報告されている。2006年、脳脊髄液減少症を事故の後遺障害として認める司法判断が報道されると、関連学会の関心が一気に高まった。12年現在、髄液漏れを止める硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)による治療が保険外で行われているものの、ブラッドパッチが効かない患者も多い。同僚法は保険適用外で、これまで全額自己負担で行われてきたが、厚生労働省の先進医療専門家会議が、入院費用など一部で保険を適用する先進医療として承認した。14年度の診療報酬改定での保険適用に向け、12年から国の施設基準を満たす医療機関での症例データの収集が始まる。患者は、長期の自宅療養が会社の理解を得られず事実上の解雇通告を受けるなど、症状に加え周囲の無理解にも苦しんでいる。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
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知恵蔵
「脳脊髄液減少症」の解説
脳脊髄液減少症
追突事故などの交通事故によるむち打ち症やスポーツ外傷などで、脳を覆っている硬膜に小さな穴が開き、脳と脊髄の周囲を循環している脳脊髄液が漏れ出して、髄液圧が低下し、様々な症状を伴う症候群。原因が不明の場合もある。多くは頭痛、頸部痛、背部痛、腰痛、めまい、耳鳴り、記憶障害、吐き気などを伴う。一般に、これらの症状は起立している時や座っている時に症状が増幅し、横たわると症状が軽快するという特徴がある。また、天候に左右されるなど、症状の変化が激しい。治療法としては、一般には安静だけでよくなることも多いが、長期間にわたる場合は硬膜外空に血液を注入し、血液を固まらせることによって穴をふさぐ方法がとられる。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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