一般には環形動物など真体腔(たいこう)をもつ無脊椎(むせきつい)動物の排出器官をいう。腎管は体節ごとに1対あるので体節器ともよばれるが、動物の種類によっては体節数よりも少ない場合がある。腎管は屈曲した細管で、内壁に繊毛がある。体腔に開く一端は腎口とよばれ、らっぱ状に広がって繊毛が密生している。細管の後半は体節の隔壁を貫通して次の体節に達し、末端は体壁の小孔すなわち外腎門として外界に開く。体腔内に生じた排出物は腎管の繊毛運動によって体外へ送り出される。さらに腎管は生殖輸管を兼ねている。繁殖期には、生殖腺(せん)中で成熟した卵や精子が体腔内で遊離してくる。腎管はこれらを繊毛運動によって体外へ放出する。なお、脊椎動物のいろいろな腎がもつ管を総称して腎管とよぶこともある。
[片島 亮]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…腎臓は脊椎動物に共通する排出器官で,老廃物,おもに窒素代謝産物の体外への放出がその主要な働きであるが,体液の浸透圧調節のための水分の排出,体液中の余剰成分の排出,体液を一定のpHに保つためアルカリ性または酸性物質の排出,有害あるいは不要物質の排出などの機能ももっており,これらの諸作用は互いに関連し合っている。 腎臓は腎管nephridiumに由来したものと考えられ,発生上の順序や位置から前腎,中腎および後腎に分けられる(図1)。最初に現れる前腎pronephrosは漏斗状となって体腔に開き,腎臓の原始型とみられる。…
…これらの動物では窒素老廃物は水に難溶性の尿酸として排出される(尿酸排出動物)。腎臓尿【佃 弘子】
【排出器官excretory organ】
無脊椎動物の排出器官は収縮胞,原腎管,腎管の三つに大別され,その形態や構造はさまざまである(表)。排出器官は本来,代謝の結果生じた老廃物を排出するための器官であるが,それに伴う種々な働き,例えば浸透圧調節や体液中の各種のイオン濃度の調節などにも関係し,環形動物では生殖細胞の体外への放出にも利用されている。…
※「腎管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新