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臨床心理学 りんしょうしんりがくclinical psychology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

臨床心理学
りんしょうしんりがく
clinical psychology

心理学の一分野。アメリカ心理学会は 1934年,「個人の適応示唆と勧告を与える応用心理学の一部門」を臨床心理学と呼ぶことを提唱した。この分野の活動は,20世紀初頭には児童,青少年問題が中心であったが,第1次世界大戦では兵士の選別や戦傷者の障害の判定,社会復帰計画などに参加して成果をあげ,戦後,企業や病院に進出する基盤をつくった。やがて,精神分析の影響を受けて投影法の開発や解釈が進んだ。第2次世界大戦では軍人精神衛生面に積極的に参加し,戦後は復員軍人病院で臨床経験を積んだ。 60年代からは,臨床心理学専門家が広く精神衛生の第一線で活躍している。日本での発展も大差はなく,現在は家庭裁判所,少年鑑別所,教育相談所,病院,保健所などで臨床心理学の実践活動が行われている。

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デジタル大辞泉の解説

りんしょう‐しんりがく〔リンシヤウ‐〕【臨床心理学】

個人や集団の適応上の問題を、心理学的知識や技術を背景に示唆・助言などを通して解決を図ることを目的とした心理学の一分野。

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百科事典マイペディアの解説

臨床心理学【りんしょうしんりがく】

精神的健康および精神的障害を対象とし,診断治療(処置)を行って人間をよりよく環境に適応させようとする応用心理学の一分野。心理検査などによる心理学的診断,カウンセリング(カウンセラー),精神療法や,その基礎となる理論的研究などを課題とする。
→関連項目臨床心理士

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世界大百科事典 第2版の解説

りんしょうしんりがく【臨床心理学 clinical psychology】

個人の行動障害や適応困難を心理学的知識と技法に基づいて測定・分析し,解決することを目的とする応用心理学の一分野。また精神発達や環境への適応の問題,心理診断と心理療法およびこれに準ずる具体的な心理学的処置を扱う技術の体系とみることもできる。歴史的には,19世紀に始まる種々のテスト心理学発展の時代にまでさかのぼることができるが,1896年にアメリカのウィトマーL.Witmerがペンシルベニア大学にpsychological clinicという部門を初めて開いている。

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大辞林 第三版の解説

りんしょうしんりがく【臨床心理学】

心理的な問題の解決や適応のため、助言・相談や診断・治療、およびその研究を行う、心理学の応用分野。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

臨床心理学
りんしょうしんりがく
clinical psychology

特定の個人(または集団)の適応上の問題に対して示唆、助言や勧告を通して解決を援助することを目的とした、心理学の一分野。あくまでも個人や集団の訴えから出発して、あらゆる心理学的知識、技能を背景に、その個人(または集団)の問題解決を図るのが目的であるから、心理学臨床家の実践活動が中心に置かれるべきものであり、臨床医学の立場と軌を一にしている。各種のカウンセリング、児童相談、非行少年や犯罪者の鑑別など、多くの分野にわたる。基本的には思考や行動の能力、行動特性、動機、情動の状態などを明らかにし(診断)、それを手掛りとして、個人の適応に役だつ助言、助力(治療)を行う科学である。従来、とくにアメリカでは心理学臨床家といえば精神分析家が主流であったが、最近では行動療法の発展、交流分析、ゲシュタルト療法など、ヒューマニスティック・サイコロジーを主張する人たちが進めているエンカウンター・グループとよばれる集団療法の展開等々、治療分野で相次いで新しい学説、方法が生まれて、臨床心理学はその幅を広げ、学問体系も整いつつある。他方、精神医学、生理学、社会学などとの学際的研究も強く進められている。
 歴史的にみると、第二次世界大戦後、アメリカでは心理学臨床家の地位が確立し、専攻者も急増した。その仕事は、心理的な問題をもつ人の診断を行い、さらに社会生活、職業生活に耐えられる人間にする治療活動を主たる任務としている。したがって生命にもかかわる重大な任務であるので、アメリカでは広い心理学的知識の修得とともに臨床実習を義務づけられた大学院博士課程を終了すると、医師と同様に一定の資格が与えられ、開業ができるという制度が確立している。日本にはまだこうした資格が確定されていない。今日急速な科学技術の進歩に伴い、都市化した生活、単調化した職業生活、高齢化社会といったいろいろな条件から、いわゆる心理的ストレスに基づく悩みが世界各国で急増しており、市民の日常の精神的健康がわが国でもいまや重要な社会問題となっている。その意味で、臨床心理学の果たすべき役割はかつてない重要なものとなりつつある。[冨田正利]

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世界大百科事典内の臨床心理学の言及

【異常心理学】より

…これに対しドイツでは,精神異常(異常心理)の研究はもっぱら精神医学者の手によってなされ,精神病理学Psychopathologieという表現が用いられてきている。本来は主として精神病や神経症を対象とする学問領域であったが,精神分析学やそれに基づく心理療法が行われるようになってからは臨床心理学という分野もこれに加わり,単に狭義の精神疾患を対象とする心理学という意味だけでなく,社会との関連や種々の行動障害に関する問題をも扱う広い心理学の分野となってきている。【武正 建一】。…

※「臨床心理学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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