戦時に軍隊内で発生する神経症の総称。神経症は性格要因と環境要因とが絡み合って発症するものであるが,戦争神経症では環境要因の影響が強い。すなわち,平時の市民生活とはまったく異なる環境に適応できずに発症するのである。実戦経験前の兵士は,不安,緊張から動悸,呼吸促迫,腹痛,吐き気などを感ずることが多く,一定期間の戦闘に従事すると,いらだち,不眠が出現し,ささいなことでどなり合うようになる。動作は緩慢となり,身辺に無関心となる。さらに悪化すると,無意味な行動を繰り返したり,物音に走り出したり,あるいは精神的に無反応の状態となり,回復後その記憶を失っていることもある。また,失立,失歩,失声など,平時の市民に比較すると劇的なヒステリー症状を呈することも多い。ベトナム戦争後,この病態は外傷後ストレス障害(PTSD)とされるに至っている。
→神経症
執筆者:臼井 宏+野上 芳美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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