日本大百科全書(ニッポニカ) 「自然ルテニウム」の意味・わかりやすい解説
自然ルテニウム
しぜんるてにうむ
ruthenium
元素鉱物。白金族元素鉱物でルテニウムがもっとも多量に含まれる合金鉱物は長く知られていなかったが、1974年(昭和49)鹿児島大学教授の浦島幸世(ゆきとし)らによって北海道深川(ふかがわ)市雨龍(うりゅう)川産の砂鉱中から発見された。自然ルテニウム系。同系には、白金属元素鉱物で六方晶系に属する自然オスミウムのほか、ルテニイリドスミン(オスミウム・イリジウム・ルテニウムの合金)が含まれる。自形は六角板状。超顕微鏡的。
直接共存鉱物はルテニリドスミンrutheniridosmine(化学式(Os,Ir,Ru))、自然白金。命名は元素ルテニウムがそのまま用いられる。ルテニウムの語源はラテン語でロシアの古名ルーテニアRutheniaに由来する。
[加藤 昭]