元素鉱物(読み)ゲンソコウブツ

デジタル大辞泉 「元素鉱物」の意味・読み・例文・類語

げんそ‐こうぶつ〔‐クワウブツ〕【元素鉱物】

一種類の元素からなる鉱物ダイヤモンド自然銅など。

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精選版 日本国語大辞典 「元素鉱物」の意味・読み・例文・類語

げんそ‐こうぶつ‥クヮウブツ【元素鉱物】

  1. 〘 名詞 〙 単一の元素だけから成る鉱物。自然金、自然銀などの金属鉱物、自然砒(ひ)素、自然蒼鉛(そうえん)などの亜金属鉱物、ダイヤモンド、硫黄などの非金属鉱物に分類される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「元素鉱物」の意味・わかりやすい解説

元素鉱物
げんそこうぶつ

単一種の元素からなる鉱物、あるいは同類の2種以上の金属元素の合金鉱物。鉱物の系統分類の一単位。構成成分となる非金属元素は、炭素、ケイ素、硫黄(いおう)、砒素(ひそ)、セレンアンチモンテルルのほか、厳密にはダイヤモンド中に微量成分として含まれる窒素なども含まれる。

 金属元素としては、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛ルテニウムロジウムパラジウム、銀、カドミウムインジウム、スズ、タンタルタングステンレニウムオスミウムイリジウム白金、金、水銀、鉛、蒼鉛(そうえん)(ビスマス)などがある。鉄属―白金属間、金―銀―銅間およびアマルガムは、化合物であっても元素鉱物に含められている。

 元素が単体で鉱物として産する場合のこれらの鉱物名は、英語では元素名と同一のiron、copperなどであるが、和名では元素名と区別するため、元素名の前に「自然」をつけ、自然鉄、自然銅などというようにしている。

[加藤 昭]

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改訂新版 世界大百科事典 「元素鉱物」の意味・わかりやすい解説

元素鉱物 (げんそこうぶつ)
native element

天然に単体で産出する元素のこと。30種以上の元素鉱物が知られている。元素鉱物には,自然金Au,自然銀Ag,自然銅Cu,自然鉄Fe,自然ニッケル鉄(Ni,Fe),自然白金Pt,自然ルテニウムRu,イリドスミン(Os,Ir),オスミリジウム(Ir,Os)などの金属元素鉱物,自然ヒ(砒)(別名,自然ヒ素)As,自然アンチモンSb,アレモン鉱AsSb,自然ソウ鉛Bi,自然テルルTeなどの半金属元素鉱物,および自然硫黄S,グラファイトC,ダイヤモンドCの非金属元素鉱物の3亜類がある。自然金は,各種金銀鉱床(熱水鉱脈鉱床,接触交代鉱床)中におもに石英に伴われて産する。また砂金鉱床として産する。自然銀は,各種銀鉱床の酸化帯に産する。自然銅は,各種銅鉱床の酸化帯に銅赤色,シダ状~樹枝状結晶で産する。自然鉄や自然ニッケル鉄は隕石中に普遍的に認められる。地上では,それらの産出はまれで,玄武岩中に自然鉄が産することがある。自然ヒは粒状,同心円状を示すが,福井県赤谷鉱山から産した金平糖状の結晶はめずらしく,世界的に知られている。自然白金(比重21),イリドスミン,オスミリジウムなどは,ロシアのウラル地方,南アのラステンバーグ,カナダのサドベリーなどの超塩基性火成岩中に産し,またそれから由来した漂砂鉱床に産出する。自然ルテニウムは,北海道幌加内の漂砂白金粒中から,1974年にはじめて発見され,新鉱物として命名された。自然硫黄は,腎臓状~鍾乳状で火山噴気性硫黄鉱床や温泉沈殿物として産する。
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百科事典マイペディア 「元素鉱物」の意味・わかりやすい解説

元素鉱物【げんそこうぶつ】

単一の元素または合金の形で産出する鉱物。金属と非金属元素鉱物に分類される。金属では自然金自然銀自然白金自然銅,水銀,鉛,鉄,ビスマスなど。非金属では硫黄,炭素(黒鉛,ダイヤモンド),ヒ素など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元素鉱物」の意味・わかりやすい解説

元素鉱物
げんそこうぶつ
element mineral

ただ1種の元素から成る鉱物の総称。多くの鉱物は2種または3種以上の元素からできている化合物であるが,元素鉱物は自然金属に多くみられる。最も多い自然金属は,金,銀,銅,白金で,自然鉄は隕石中に産する。普通,水銀,鉛,亜鉛は化合物であるが,ときに自然金属としても産する。非金属の元素鉱物には硫黄や炭素があり,炭素鉱物にはダイヤモンドと石墨が知られている。

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