自由教育学院(読み)じゆうきょういくがくいん(その他表記)Institución Libre de Enseñanza

改訂新版 世界大百科事典 「自由教育学院」の意味・わかりやすい解説

自由教育学院 (じゆうきょういくがくいん)
Institución Libre de Enseñanza

スペインの教育機関。1876年,当時の文部省の保守的なカトリック思想に基づいた教育方針を批判する大学あるいは中・高等学校の教師たちにより設立された。リーダーはヒネル・デ・ロス・リオスFrancisco Giner de los Ríos(1839-1915)。彼は1875年,大学問題で一時拘留中のカディス刑務所内でその構想を得,ドイツの哲学者クラウゼの思想を紹介したサンス・デル・リオJulián Sanz del Río(1814-69)の学説に基づき,一般市民に教会の手によらない自由かつ学問的な教育を施すことによって最終的には社会を革新する原動力を育てることを目標とした。彼らの活動は当初からスペインの自由主義派によって支持されたが,一方,文部省とは82年,完全に関係を断ち切られた。学院の教育方針は,おもにドイツとイギリスの教育にならって最初から美術,遠足,スポーツなどをとり入れ,男女共学であった。

 この運動98年世代と呼ばれる知識人グループをはじめ,進歩派の政治家,左派勢力,特に社会党に大きな影響を与え,王政打倒,1931年の第二共和国設立のきっかけともなったが,フランコ政権は学院を抑圧し,40年5月17日の法令によって解散,没収した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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