民間用航空機が掲げる標識記号については国際民間航空条約によって統一されており,それにのっとって日本では航空法および同施行規則にその位置,大きさ,色彩などについて詳細な規定が設けられている。すなわち,国籍記号と登録記号を連記して機体表面(飛行機とグライダーでは右主翼上面・左主翼下面と後部胴体両側面または垂直尾翼両面,回転翼機では胴体両側面と底面)に標示するほか,所有者名と住所,国籍および登録記号を記した板を機体出入口付近に掲示することが義務づけられている。国籍記号はアルファベットの1ないし2字またはアルファベットとアラビア数字の組合せを使い,アメリカはN,イギリスはG,ドイツはD,フランスはF,ロシアはRA,イスラエルは4X,日本はJAなどのように定められている。また,登録記号は国によってアルファベットまたはアラビア数字を3~5個組み合わせたものを用いるのがふつうであるが,アメリカでは末尾にも所有者を示すアルファベットを1ないし2字加えることが多い。日本の場合は4桁の数字で表すことになっている。なお,日本ではその4桁のうち1000番台を飛行船に,2000番台をグライダーに,3000~4000番台を単発ピストンエンジン飛行機に,5000番台を双発ピストンエンジン飛行機に,6000番台および9000番台をタービンエンジン回転翼機に,7000番台をピストンエンジン回転翼機に,8000番台をタービンエンジン飛行機にそれぞれ割り当てている。民間機のうち官庁所有機は前記国際条約の適用を受けないが,日本においては便宜上私有機と同じ基準で標識をつけている。これら法定標識のほかに,使用者が独自に国旗,社名,社章,機種名,愛称などを標示することも多く,なかには前方からの識別を容易にするため,登録記号の末尾の数字またはアルファベットを機首や前脚カバーなどに書き込んでいる例もある。
軍用機の標識も国籍および登録記号からなっている点では基本的に民間機と同じであるが,国籍記号はマーク(国旗またはその一部を図案化したものが大部分)のみの場合と,マークと文字を併用する国とがある。登録記号も国によって異なるが,ふつう数桁の数字の組合せで示されることが多く,例えば航空自衛隊の場合,領収年度,機種,型式,個別一連番号などを示す6桁の数字を用いている。このほか軍用機独特の慣行として所属部隊を示す標識があるが,この場合も文字または数字の組合せとマークを併用している例が多い。
執筆者:関川 栄一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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