良尊(読み)りょうそん

朝日日本歴史人物事典 「良尊」の解説

良尊

没年貞和5/正平4.6.13(1349.6.29)
生年弘安2(1279)
鎌倉末・南北朝時代の民間念仏僧。融通念仏宗本山大念仏寺(大阪市平野区)中祖。法明房と号する。摂津国東成郡深江(大阪市東成区)の在家入道である。25歳で高野山に登山,元亨1(1321)年43歳で帰郷。同年,夢告を得て石清水八幡宮から融通念仏本尊天得如来(11尊より成る阿弥陀仏来迎図)を継承し,中・南河内地方を中心に布教した。良尊の次の興善の代に,融通念仏は,六別時(6つの別時講)と呼ばれる。いずれも良尊を開基とする独立した地域宗教組織の連合として存在した。本山も17世紀初頭までは寺地を固定せず,六別時がくじを取り,当たったところへ本山が動いてゆく挽寺方式で運営された。良尊には生前の史料がなく,融通念仏宗教学研究所『融通念仏宗年表』や元興寺文化財研究所『法会(御回在)の調査研究報告書』所収の記録によっている。なお良尊には宗祖良忍の伝記と念仏の利益を説いた『融通念仏縁起絵巻』を使用した形跡がない。

(上田さち子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「良尊」の解説

良尊(2) りょうそん

1279-1349 鎌倉-南北朝時代の僧。
弘安(こうあん)2年10月10日生まれ。高野山の俊賢に師事して出家。元亨(げんこう)元年石清水(いわしみず)八幡宮の霊告で融通念仏宗の法脈をつぎ,摂津大念仏寺7世となった。同宗中興の祖。貞和(じょうわ)5=正平(しょうへい)4年6月13日死去。71歳。摂津深江(大阪府)出身。俗姓清原。号は法明房。

良尊(1) りょうそん

1189-1246 鎌倉時代の僧。
文治(ぶんじ)5年生まれ。九条良経(よしつね)の子。天台宗。宇治平等院執印,近江(おうみ)(滋賀県)園城寺(おんじょうじ)長吏となり,大僧正にすすむ。のち熊野(くまの)三山・新熊野両検校(けんぎょう),法成寺執印となった。寛元4年3月12日死去。58歳。通称は三室戸僧正。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「良尊」の解説

良尊 (りょうそん)

生年月日:1279年10月10日
鎌倉時代後期;南北朝時代の民間念仏僧
1349年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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