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色即是空空即是色 しきそくぜくうくうそくぜしき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

色即是空空即是色
しきそくぜくうくうそくぜしき

玄奘訳『般若心経』中の文句。現代語訳すると,「およそ物質的現象というものは,すべて実体がないということである。およそ実体がないということは物質的現象なのである」となる。「色即是空」が説かれるわけは,人が物質的現象に執着しがちであることを裏面から述べるものである。人は自己に執着し,自己の所有していると考えるものに執着している。ところがよくよく考えてみれば,それらにはなんら実体というものがない。自己に属していると愛着しているものを失えば,それは憂いを生じることとなる。しかし愛着することなく,執着することのない者にとっては憂いも悲しみも存在しない。「色即是空」とは,物質的現象には実体がないということを無限に観察すべきことを教えるものである。しかし一方では「実体がない」と観察しているうちに,ややもすると虚無主義に陥る危険性が生じてくるおそれがある。そこで「空即是色」と続いて説いて,虚無主義に陥るのを避けているのであろう。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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