花下(読み)はなのもと

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

花下
はなのもと

鎌倉・室町時代(13~14世紀ごろ)、寺社の桜の木のもとで行われた連歌(れんが)の興行形態。京都の毘沙門堂(びしゃもんどう)、法勝寺(ほっしょうじ)、清水寺地主権現(きよみずでらじしゅごんげん)、鷲尾(わしのお)などのしだれ桜の名木のもとで花盛りに人々を集めて連歌師が開催したらしい。鎌倉でも行われた記録がある。一種の花鎮(しず)めのような宗教的、民俗的意味を伴っていたとされる。中心となっていた連歌師は、道生(どうしょう)、寂忍(じゃくにん)、無生(むしょう)、善阿(ぜんあ)らであり、地下(じげ)連歌の伝統を形成する重要な契機となった。作品は『菟玖波集(つくばしゅう)』に採録されている。最盛期には天皇・上皇などがお忍びで参加するほどであったというが、連歌興行の中心が北野神社へ移る14世紀なかばごろから衰退した。

[奥田 勲]

『金子金治郎著『菟玖波集の研究』(1983・風間書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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