芹ヶ沢村(読み)せりがさわむら

日本歴史地名大系 「芹ヶ沢村」の解説

芹ヶ沢村
せりがさわむら

[現在地名]茅野市北山きたやま 芹ヶ沢

湯川ゆがわ村の南東にあり、佐久郡との境に近接し、雨境あまざかい峠越えの諏訪山道大河原おおがわら峠・大石おおいし峠越え並びに現在の有料道路茅野―八子やしみね線の分岐点にあたる。村内をしぶ川が西流している。

古くは現在地より二〇〇メートル余下流のとびおか(飛岡・富岡とも)地籍にあったが、水害のため、かつての「信濃国大山寺」の寺域の辺りと推考される現在地へ移ったと伝承されている。飛岡の地名は嘉禎三年(一二三七)の奥書をもつ「祝詞段」に「トヒ岡子ノ神」とみえ、これは芹ヶ沢の鎮守子ノ神社をさしている。「古代に芹ヶ沢地籍(飛岡を含む)原初の東山道が通り、芹ヶ沢が宿駅大泊おおどまり)であり、ここから雨境峠・大河原峠・大石峠等のそれぞれ峠越しに佐久地方へ抜けていた。また信濃国大山寺がこの地につくられた」とする説がある。


芹ヶ沢村
せりがさわむら

[現在地名]三春町芹ヶ沢

さくら川上流域にあり、西は三春城下清水しみず隣接磐城街道(県道門沢―三春線)に沿う。芹沢とも記すが、守山藩領芹沢せりさわ(現郡山市)に対し、せりさわとよぶ。秋田氏入封後、行政上は正保二年(一六四五)の在々屋敷数家数并人数(三春町史)では、城下みなみ町・山中さんちゆうなどと一括される。万治二年(一六五九)の村高覚(福島県史)でも楽内らくうち村とともに三春町に一括。享保四年(一七一九)の取箇并人数(三陽骨要集)では本田高一〇〇石・新開高一二石余、三春町支配芹沢と書分ける。同七年貝山かいやま村支配、次いで込木くぐりき村支配。同一〇年当村と楽内村惣百姓嘆願により再び町方支配。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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