苦礬ざくろ石(読み)くばんざくろいし(その他表記)pyrope

翻訳|pyrope

日本大百科全書(ニッポニカ) 「苦礬ざくろ石」の意味・わかりやすい解説

苦礬ざくろ石
くばんざくろいし
pyrope

ざくろ石一種。他のざくろ石に比較して自形結晶はまれで、やや硬度が高い。桃赤色ないし深赤色透明なものは宝石として利用される。エクロジャイト(榴輝(りゅうき)岩)の主要造岩鉱物として産したり、グラニュライト相ないし角閃(かくせん)岩相に属する高変成度の変成岩中、灰長岩中、キンバレー岩中などに産する。日本では愛媛県東赤石山などに産するが、量は少ない。天然には純粋な苦礬ざくろ石はなく、鉄礬ざくろ石と連続固溶体をつくり、灰礬ざくろ石成分も固溶する。特徴的な赤色をしているところから、英名は「火のような」という意味のギリシア語に由来する。

松原 聰]


苦礬ざくろ石(データノート)
くばんざくろいしでーたのーと

苦礬ざくろ石
 英名    pyrope
 化学式   Mg3Al2Si3O12
 少量成分  Fe,Mn,Cr,Ca
 結晶系   等軸
 硬度    7~7.5
 比重    3.5~3.8
 色     白,淡桃,紫赤,桃赤,深赤
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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