干菓子(ひがし)などを製作するための型で、とくに落雁(らくがん)用の木製押し型器をさす。干菓子の型器には古くから竹が用いられているが、いずれも原始的な範型で、のちに落雁となる粉熟(ふずく)(唐(から)菓子)には押し出す方式の竹筒がある。落雁の場合は、簡単な木枠と押板によって長方形のものが成形されていた。しかし、江戸時代中期、精製砂糖が普及するとともに落雁の需要が伸び、これにしたがっていろいろな菓子型がつくられ始めた。当時の『類聚名物考(るいじゅめいぶつこう)』に「形は、昔は洲浜(すはま)なりしが、今は種々の形出来たり」とある。
普通は硬質材の桜を用いた羽子板型であるが、明和(めいわ)・安永(あんえい)期(1764~81)の木型は小形で単純なものが多く、寛政(かんせい)期(1789~1801)に入ると、木型そのものは厚手となるが、紋様の彫りが薄くなる。また紋様の大形化も進み、通常の十数倍のものも現れ、これはおもに贈答用に製作された。さらに文化・文政(ぶんかぶんせい)期(1804~30)に入ると、落雁が茶菓子として定着し、紋菓子(御供物(おくもつ))としても社寺などに重宝されたことから、デザインも多様化した。四季の草花をモチーフとするものから祝い事のための鶴(つる)、亀(かめ)、鯛(たい)、松、竹、梅などが多くつくられるようになった。また木型もほぼ一定の規格をもつようになり、その美形が菓子屋の棚先を飾るようになった。そして幕末から明治期にはデザイン、紋様の仕上げがいっそう緻密(ちみつ)化し、三都以外にも菓子型は急速に普及した。
[森谷尅久]
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