葉山神社(読み)はやまじんじや

日本歴史地名大系 「葉山神社」の解説

葉山神社
はやまじんじや

[現在地名]長井市白兎

葉山(一二三六メートル)の南東麓、字蔵京ぞうきようにある。葉山山頂に奥院があり、当社は口の宮にあたる。祭神は保食神・大日貴命・天鈿女命・弥都波能売神、旧郷社。天慶年中(九三八―九四七)勧請と伝え、古くから下長井地方の農耕神として近郷の崇敬を集めた。近世は葉山権現と称し、葉山山頂には羽黒大権現と月山大権現の二つの宮が置かれ、口の宮の当所には羽黒大権現の本地仏を納める薬師堂、月山大権現の本地仏を納める阿弥陀堂ほか殿堂(現当社拝殿)などがあり、山頂へ向かう参道沿いに若王子稲荷・十二神などの堂宇が設けられた。羽黒大権現は羽黒派修験龍善院(現葉山神社)、月山大権現は当山派修験大蔵院(のち真言宗醍醐派光明寺)がそれぞれ別当を勤めた。


葉山神社
はやまじんじや

[現在地名]松島町松島

瑞巌寺の北西方、葉山山頂にある。松島の地主神で、葉山大権現(木花開耶媛命)が鎮座し瑠璃光如来と十二神将の像があったという。荒廃していたのを寛文五年(一六六五)瑞巌寺塔頭円同えんどう庵の希団が再興、元禄九年(一六九六)瑞巌寺鵬雲が小堂を造り、正徳五年(一七一五)にも社殿が再造された(松島巡覧記)。出羽湯殿ゆどの山に登る人は必ず当社に詣でてから湯殿山に行くのが恒例であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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