松島町(読み)まつしままち

日本歴史地名大系 「松島町」の解説

松島町
まつしままち

面積:五四・一四平方キロ

宮城郡の東端に位置。国の特別名勝松島・松島県立自然公園の中枢部を占め、また古刹瑞巌寺があることでも知られる。東は桃生ものう鳴瀬なるせ町、北は志田郡鹿島台かしまだい町、北西は黒川郡大郷おおさと町、南西は利府りふ町とそれぞれ境しており、北東部は品井しない沼低地ならびに鳴瀬川、南東は松島湾に面し、西部一帯は西部丘陵地帯につづく松島丘陵となり、その末端は広く町域を覆っている。松島湾は松島丘陵の一部が多くの断層を生じ、それが河川等の浸食を受けたのち海面下に沈降したためにできたもので、谷間には奥深くまで海が入込んで湾となり、尾根は水面から出て岬や島となり、それが波浪、風雨などの作用でいっそう形が変化、現在の形状を呈するに至った。


松島町
まつしまちよう

[現在地名]西区千代崎一―二丁目

木津きづ川と尻無しりなし川の分流点にあるてら島の北端、木津川きづがわ町の北に明治元年(一八六八)開かれた新地と、木津川町・九条村くじようむら町・寺島てらじま町および九条村字寺島のうち四町八反余を併せて成立した町。松島の名称は、当地に幹の太さが一丈あり、寺島の松とも、根元に戎神が祀られていたため蛭子松えびすのまつともよばれた松があり、松之鼻まつのはなと称される名所であったことによる(摂津名所図会)。新地は同年川口かわぐち居留地が設置されたことに関連して開発されたもので、その繁栄策として同年末当地に遊廓の設立を許可し、大坂市中に散在していた非公認の遊所が集められ、翌二年松島遊廓が成立(大阪府全志)、松島新地ともよばれ昭和三二年(一九五七)の売春防止法施行まで続いた。


松島町
まつしままち

面積:五二・六三平方キロ

かみ島の北東端、天草五橋の上島側始点に位置する。東は八代海に面し、南東は姫戸ひめど町、南は倉岳くらたけ町、西は有明町に接する。有明海と八代海の境界域に点綴する前面の島嶼群は天草松島とよばれ景観美に富む。与謝野晶子が「天草の松島ここに浮ぶなり西海のいろむらさきにして」と詠じたところで、雲仙天草国立公園に指定されている。とくに国指定名勝の高舞登たかぶと(一一七メートル)千巌せんがん(一六二・三メートル)からの眺望がすばらしい。海の見える丘には必ず古墳があるとされるほど古代遺跡が多く、東北端に大戸鼻おおとばな古墳群がある。


松島町
まつしまちよう

[現在地名]中央区日本橋人形町にほんばしにんぎようちよう二丁目

浜町はまちよう堀の西方、浜町入堀の南側に位置し、武家屋敷に囲まれた両側町。当地は享保四年(一七一九)まで町奉行付の組屋敷で中の組と称していたが、上地となり、市店を開き松島町として起立されたという(東京府志料)。沿革図書によれば延宝年中(一六七三―八一)の図では摂津尼崎藩青山氏屋敷で、元禄年中(一六八八―一七〇四)の図では同屋敷南方が町奉行組となっており、宝永年中(一七〇四―一一)の図では街路で五区画に区切られた松島町がみえる。


松島町
まつしまちよう

[現在地名]中区大須おおす三丁目

矢場やば町の東の町続きをいう。寛文八年(一六六八)前津小林まえづこばやし村の三輪みわ神社境内に弓矢場が作られたが、文化四年(一八〇七)弓矢場をつぶして町屋とし松島町と名付けた(尾張志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松島町」の意味・わかりやすい解説

松島〔町〕
まつしま

宮城県中部,松島湾の北岸にある町。1928年町制。町域の大部分松島丘陵で,北部に旧品井沼干拓地がある。松島湾内ではカキ,ノリの養殖が行なわれる。松島海岸は天橋立厳島(宮島)とともに日本三景の一つ。瑞巌寺,五大堂のほか雄島,福浦島などの松島群島があり,松島観光の中心で,ホテル,旅館,みやげ物店などが多い。扇谷双観山と富山は,宮戸島大高森(東松島市),多聞山七ヶ浜町)とともに松島四大観をなす。中心地区の高城(たかぎ)は藩政期から浜街道の宿場町として発達し,町の行政・経済の中心地。松島湾とその沿岸一帯は,松島県立自然公園に属する。小堀遠州作と伝えられる国の重要文化財,圓通院霊屋(えんつういんおたまや)がある。中央を JR東北本線が縦貫し,海岸線に沿って JR仙石線が通る。面積 53.56km2。人口 1万3323(2020)。

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