葱花輦(読み)そうかれん

精選版 日本国語大辞典 「葱花輦」の意味・読み・例文・類語

そうか‐れん ソウクヮ‥【葱花輦】

〘名〙 肩の上に舁(か)き上げて行進する輦の一つ。屋根中央にねぎぼうずの形状を表示した金色の珠を据えた輿。天皇略式乗物で、神事や常の行幸に用いた。また、皇后中宮東宮晴儀の乗物とした。葱花の輿。葱花。葱輦。
小右記‐長和五年(1016)六月二日「鳳輿入南門、候東橋頭〈行事中納言俊賢仰花輦之由、即花輿候、然而摂政有命、用鳳輿云々〉」

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デジタル大辞泉 「葱花輦」の意味・読み・例文・類語

そうか‐れん〔ソウクワ‐〕【×葱花×輦】

屋根の上に金色のねぎの花の形の飾りをつけた輿こし。天皇の略儀の行幸に用い、皇后・東宮の行啓にも用いた。なぎのはなのみこし。葱輦。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「葱花輦」の意味・わかりやすい解説

葱花輦
そうかれん

輿

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世界大百科事典(旧版)内の葱花輦の言及

【輿】より

…武家は公家とは反対に車を用いないで輿を用い,室町時代には家格の高い者に将軍が輿を用いることを特許する制度が生じた。天皇が朝覲行幸,即位等に用いる鳳輦(ほうれん)が最も格が高く,次いで天皇が尋常の行幸に用いる葱花輦(そうかれん)以下,腰輿(たごし),小輿,網代(あじろ)輿,板輿,張輿,四方輿,塗輿等の種類がある。腰輿は上皇,王臣,高僧が用い,網代輿は親王,摂関,清華家の者が用いたが,室町時代以降は家格の高い武家も網代輿をおもに用いた。…

※「葱花輦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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