デジタル大辞泉 「蓋し」の意味・読み・例文・類語 けだし【▽蓋し】 [副]1 物事を確信をもって推定する意を表す。まさしく。たしかに。思うに。「蓋しその通りであろう」2 (あとに推量の意味を表す語を伴って)もしかすると。あるいは。「百もも足らず八十隅坂やそくまさかに手向けせば過ぎにし人に―逢はむかも」〈万・四二七〉3 (あとに仮定の意味を表す語を伴って)万が一。もしも。ひょっとして。「わが背子し―まからば白妙の袖を振らさね見つつしのはむ」〈万・三七二五〉4 おおよそ。大略。多く、漢文訓読文や和漢混淆文などに用いる。「よって勧進修行の趣、―もって斯かくの如し」〈平家・五〉[類語]たいてい・恐らく・たしか・まず・多分・おおかた・文字通り・まさに・まさしく 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「蓋し」の意味・読み・例文・類語 けだし【蓋・盖】 〘 副詞 〙① あり得る事態を想定する時の、肯定的な仮定の気持を表わす語。ひょっとすると。もしかすると。けだしく。[初出の実例]「古に恋ふらむ鳥は霍公鳥(ほととぎす)盖(けだし)や鳴きし吾が思へる如(ごと)」(出典:万葉集(8C後)二・一一二)② 判断を下す時の、多分に確信的な推定の気持を表わす語。多分。おそらく。思うに。けだしく。[初出の実例]「是の談(ものかたりこと)、蓋(ケタシ)幽深(ふか)き致(むね)有(あ)らし」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))蓋しの語誌( 1 )この語は「けだしく」と形容詞連用形のような形に語形拡張しても用いられる。( 2 )平安時代以降は、ほとんど漢文訓読系の資料にのみ用いられている。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by