ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藍瑛」の意味・わかりやすい解説
藍瑛
らんえい
Lan Ying
[没]康煕3(1664)
中国,明末,清初の浙派 (せっぱ) の画家。銭塘 (浙江省杭州) の人。字は田叔,号はちょう叟 (ちょうそう) ,東郭老農,石頭陀など。浙派の殿将と称され,おもに杭州で売画によっていた職業画家と考えられるが,早く董其昌 (とうきしょう) らに重んじられて杭州の文人とも親しく,西湖の詩社の一員であったと推測されるなど,文人画家的性格が強い。おもに山水を描き,同時代の呉派の慣習にならって唐,宋,元の南北両宗にわたる画家を模したといわれるが,形態性や画面構成などは個性的な様式を示し,浙派の影響を指摘できる。子の藍孟,孟の子の藍深,藍濤はみな家法を継承したほか,劉度,蘇宜ら多くの追随者を出した。代表作『山水図』 (個人) 。
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