国指定史跡ガイド 「藤橋遺跡」の解説
ふじはしいせき【藤橋遺跡】
新潟県長岡市西津町にある縄文時代後期から晩期にかけての集落跡。信濃川左岸にある4段の河岸段丘の最下段に所在している。3次にわたる発掘調査で、遺跡のほぼ中央部に小谷が西に向かって入り込み、それを囲む台地上に住居跡や土坑など多数の遺構と膨大な量の遺物が発見された。発見遺物には縄文時代後期から晩期にいたる各時代の土器群があり、とくに晩期終末に属する一群が最も量も多く、藤橋式として越後・会津地方一帯の標式とされている。石器も多種多様で、石剣・石冠がみられる。玉類には勾玉(まがたま)・丸玉があり、材料には滑石のほか翡翠が含まれ、なかには未完成品もある。翡翠の原石を入手して玉造りをしていた晩期の集落跡は、山形県の玉川遺跡、青森県の亀ヶ岡遺跡があるが、この遺跡はたんなる大規模集落にとどまらず、より広域な地方における中心的な存在であったことが推測できる。1978年(昭和53)に国の史跡に指定された。JR上越新幹線ほか長岡駅から越後交通バス「技大前」下車、徒歩約6分。