蛙子池(読み)かえるごいけ

日本歴史地名大系 「蛙子池」の解説

蛙子池
かえるごいけ

[現在地名]土庄町肥土山

嶮岨けんそ山系の山中にあり、面積一〇ヘクタール余、灌漑面積約一〇〇ヘクタール。築造については連年の旱魃に悩む近郷農民のため、天和三年(一六八三)九月、肥土山ひとやま郷庄屋太田伊左衛門典徳が主唱して淵崎ふちざき上庄かみしよう両郷庄屋らと協議して新池掘削を決議したのに始まる。当時、小豆島支配の大坂代官万年長十郎に願出て許可を得、翌四年着工、人足延べ七千六七〇人余で三ヵ年の歳月をかけて貞享三年(一六八六)竣工した(「池築造一件」蛙子池土地改良区蔵)。この間の太田典徳物心両面における辛労ははなはだしく、竣工後庄屋特権であった酒造株は同村徳左衛門に銀二貫一〇〇匁で譲渡しなければならなかったほどである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「蛙子池」の解説

蛙子池

香川県小豆郡土庄町、小豆島の中央部にある溜池。「かえるごいけ」と読む。1686年に完成した同島最大規模の溜池で、約200ヘクタールの農地を潤す地域の主水源農水省の「ため池百選」に選定されている。地域に伝わる「肥土山農村歌舞伎」は、池が難工事の末完成した際、喜んだ村人たちが神社境内にに仮小屋を建てて芝居を催したのが起源とされる。

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