漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「蝉退」の解説 せんたい【蝉退】 漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。セミの幼虫が脱皮した抜け殻。鎮痛、消炎、解熱、けいれん止めなどの作用があり、アレルギーにも有効とされる。湿疹(しっしん)、じんましん、あせも、アトピー性皮膚炎に効く消風散(しょうふうさん)などに含まれる。 出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「蝉退」の意味・わかりやすい解説 蝉退ぜんたい セミの抜け殻のことで、漢方では古くから解熱薬、止痒(しよう)薬として用いられてきた。薬用にされる種類は多いが、中国では主としてクマゼミ属Cryptotympanaのものが用いられ、日本ではアブラゼミGraptopsaltria nigrofuscataの抜け殻も採集される。かぜ、じんま疹(しん)のほか、小児の夜泣き、咽頭(いんとう)炎、喉頭(こうとう)炎、結膜炎、白内障などにも応用される。市場では「金進(きんしん)」「金蝉(きんぜん)」「只進(ししん)」などとも称される。[難波恒雄・御影雅幸] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例