衣鉢を継ぐ(読み)イハツヲツグ

デジタル大辞泉 「衣鉢を継ぐ」の意味・読み・例文・類語

衣鉢いはつ・ぐ

宗教学問芸術などの各流派で、弟子が師から奥義を授けられる。また、先人業績を受け継ぐ。→衣鉢3

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精選版 日本国語大辞典 「衣鉢を継ぐ」の意味・読み・例文・類語

いはつ【衣鉢】 を 継(つ)

  1. ( 仏教で法を伝える証(あかし)として衣鉢を与えたところから ) 師からその道の奥義を受け継ぐ。また、前人事業行跡を受け継ぐ。
    1. [初出の実例]「越後伝吉の衣鉢(イハツ)を襲(ツギ)呉服屋へ三年酒屋へ七年」(出典最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉九)

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故事成語を知る辞典 「衣鉢を継ぐ」の解説

衣鉢を継ぐ

師から、その道の奥義を受け継ぐこと。また、前人の事業などを受け継ぐこと。

[使用例] 昨夜よりつくづく眺めて参ったが、亡き柳生十兵衛が衣鉢を継ぐほどの者、当然とは申しながら、よう切ってある[五味康祐*柳生天狗党|1969]

[由来] 「衣」は、僧が着る。「鉢」は、僧がたくはつのときに用いる鉢。「旧唐書―神秀伝」に、禅宗開祖達磨だるま大師は、「衣鉢有りて記とし、世々よよ付授す(袈裟と鉢とを禅の奥義を得た印として、代々伝えることにした)」とあります。ここから、仏教の奥義を師匠が弟子に伝えることを「衣鉢を伝える」といい、他の分野でも用いられるようになりました。

[解説] 「衣鉢」は「えはつ」とも読みます。

〔異形〕衣鉢を伝える/衣鉢を受ける。

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